過去ログ - ビッチ・2
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132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/19(火) 23:06:28.20 ID:5oVkFcZbo

「池山はもともとあたしが見つけた取材先じゃなくてさ。うちの編集部の仕事を請け負っ
ているプロダクションの編集の大学時代の後輩の、そのまた後輩なんだよね」

 叔母さんが冷静に言った。

「その編集者の後輩って何で博之のことを知ってたの」

 明日香が涙を拭きながら聞いた。叔母さんのおかげで明日香とは仲直りしたはずなのだ
けど、やはり博之という名前を明日香の口から聞くのは面白くない。

「その編集者の後輩はSPIDERっていうバーを経営しているんだけど、池山って常連客なん
だよ。つうかそこのマスターの高校の後輩なんだって」

「マスターって渡さんのこと?」

 明日香が言った。

「うん。確かそんな名前だった。あんた知ってるの?」

「博之と付き合ってた頃、あの店にはよく行ってたから。未成年でも飲ませてくれたか
ら」

「明日香、あんた外の店で飲酒してたの? あんたはまだ中学生なんだよ」

 叔母さんが驚いたように聞いた。明日香が目を伏せた。

「うん、ごめん。あのときはあたしもバカやってたから」

 叔母さんも明日香が中学生のくせに遊んでいたことは知っていたのだろうけど、不良の
彼氏と飲み屋に入り浸っていたことは知らなかったらしく、ショックを受けたように黙っ
てしまった。それから叔母さんは僕の方を見た。

「奈緒人。あんたは明日香がそんな店に入り浸っていたことを前から知ってたの?」

 もう誤魔化せるような状況じゃなかった。

「うん。店とかは知らないけど、明日香がたまに酔って帰って来るのは知っていた」

 それを聞いて叔母さんは悲しそうな表情を見せた。

「まあ、あんただけを責める訳にはいかないけど、でも知っていたのならあたしには相談
して欲しかったな」

「ごめん」

 明日香が口を挟んだ。

「叔母さん、違うの。お兄ちゃんのせいじゃないの。あたしが変な反発心から遊んでいた
のがいけないの」

「まあ、今はその話はいいや。あの頃は仲の悪かったとはいえ、奈緒人が明日香のことを
チクリたくなかった気持もわかるしね。とにかく池山に関してはあんたたちじゃお互いを
気にしあって冷静に判断できないだろうから、もう今夜はこの辺で止めておこう」


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