過去ログ - ビッチ・2
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131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/19(火) 23:05:56.72 ID:5oVkFcZbo

 兄友の言うことだから根拠のない話ではないだろう。でも警察に目を付けられているよ
うなドラッグの販売グループに所属し、あんな格好をして周囲を睨みつけながら歩いてい
るようなやつのことを明日香はまだ信じているのだ。本当に明日香は僕のことが好きなの
だろうか。ひょっとして奈緒との関係に苦しむ僕を助けようとして、自分の意思に反して
無理にあいつと別れたのだろうか。明日香はそういう行動を取っているうちに僕への愛情
に気がついたと言っていたけど、それは本当なのか。最初は明日香は奈緒でなければ僕の
彼女は有希だっていいと考えていたのだし。

「おまえは僕よりあいつのことの方を信じるんだ。将来を誓いあったばかりの僕のことよ
り、あんな不良の元彼の方を」

 僕は思わず言わなくていいことを口にしてしまった。

「お兄ちゃん・・・・・・それ本気で言ってるの?」

 その言葉を口にした瞬間、明日香への嫉妬や不信感より、自分への嫌悪感を感じた。ふ
らついているのは僕の方なのに。奈緒の告白に悩み、叔母さんとの交情を忘れようと必死
になっているのは僕の方なのに。

 明日香は僕の言葉に顔を青くして、傷付いたような目に涙を浮べている。

「はいはい。もうよせ」

 叔母さんが口を挟んだ。

「叔母さん」

「あたしはあんたたちに言ったよね? あたしの部屋でいちゃいちゃしたり痴話げんかす
るのはよせって」

「・・・・・・ごめん」

「ごめんじゃないよ。あんたたちは昨日将来を誓い合ったんでしょ? 早速こんなつまん
ないことで痴話喧嘩してどうすんのよ。こんなんじゃあたしだって、あんたたちの味方を
してあげられないじゃん」

「ごめん」「ごめんなさい」

 僕と明日香が同時に叔母さんに言った。

「あたしに言うな。お互いに謝れよ」

「悪かったよ明日香」
「お兄ちゃんごめんなさい」

 再び僕と明日香が同時に、今度はお互いの目を見ながら言いあった。

「よし。これで二人とももうやめろ。池山がメールしてきた動機なんて、ここで話しあっ
てたってわかるわけないんだし」

 それは叔母さんの言うとおりだった。


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