過去ログ - ビッチ・2
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141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 00:00:55.81 ID:4Y9bOK7Ho

このとき、明日香の顔は僕の頭の上の方にあった。明日香が僕に抱きついてくるときは、
お互いの身長差もあって彼女は自分の顔を僕の胸の辺りに押し付けてくることが多かった。
でもそのときの明日香は僕の顔面を庇おうとしたのか、半ば半身をテーブルにうつ伏せに
押し倒されるようになっていた僕に精一杯背筋を伸ばして抱きついていた。そのせいで明
日香の表情を覗うことはできなかった。

「奈緒って・・・・・。妹をレイプって」

 僕は混乱してうめくように口にしていた。明日香の言葉も嘘ではなかったようで、池山
は僕との間に明日香が割り込むと、明日香のことを気にしたのかもう暴力を振るおうとは
しなかった。僕は池山から目を逸らして明日香を見た。

「違うの、違うの」

 明日香が泣きながら何かを僕に向かって言っている。池山が僕から離れて座りなおした。
そのことに気がついた僕は庇ってくれている明日香をそっと自分から遠ざけて身体を起こ
した。

 どういうわけか池山も動揺しているようだった。このときファミレスの店員たちが僕た
ちを遠巻きに眺めていた。注意されるくらいならまだしも、警察とかに電話されるのはま
ずい。明日香はまだ中学生なのだ。

「これくらいにしておかないと本当に警察を呼ばれるぞ」

 僕は明日香を隣の席にそっと座らせながら池山を睨んだ。

 池山はもう戦意を喪失したように僕たちを眺めた。

「・・・・・・おい」
 彼は僕に言った。「・・・・・・明日香の兄貴。てめえ、何で今いきなり俺を殴ろうとしたん
だよ。妹って言ってたよな? 鈴木奈緒っていう富士峰の中坊はおまえの何なんだよ」

「奈緒に手を出すな。本気でレイプとか言ってるなら許さないからな」

 不様に池山に負けた気がしていた僕だったけど、このときの殺気は本物だったと思う。
池山も僕の怒りが本気であることに気がついたようだ。そして彼はもう僕なんて気にせず
明日香の方を見た。それは何だか少し悲しそうな表情に見えた。

「・・・・・・そういうことか。俺は明日香に利用されたってわけか」

「何言ってるんだ」

 僕はそう言ったけど池山はやはり僕の言葉に全く注意を払わなかった。

「おまえは俺の気持ちを弄んだんだな。俺は本気でおまえに惚れてたのに」

 明日香は俯いたままだ。

「いまえは俺の気持ちを利用して俺にあの女を犯させようとしたんだな。この野郎の好き
なやつをひどい目にあわせるためだけによ。俺は本気でおまえに言われたように奈緒をレ
イプするところだったんだな」

 僕は池山の言葉に混乱した。このクズはやっぱりまだ中学生で僕以外の男と付き合った
ことすらない奈緒をどうにかしようと思っていたと口にしているのだ。それなのになんで
こいつはこんなに裏切られたような悲しげな表情をしているのか。最初は僕に全く理解で
きなかった。ふとそのとき、有希の顔が目に浮かんだ。あのときの有希の言葉とともに。


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