過去ログ - ビッチ・2
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142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 00:01:53.54 ID:4Y9bOK7Ho

『実の兄妹だと思って完全に油断してました。あのときは明日香は自分が奈緒人さんと血
が繋がっていないことを知っていて、そして奈緒ちゃんが奈緒人さんの本当の妹であるこ
とは知らなかったんでしょ?』

『兄貴思いの妹の行動だったって言いたいみたいだけど、結局明日香は望んでいたものを
手に入れてるんじゃない』

『あのときあたし、明日香にとって都合のいい話だって言ったけど結局そのとおりだった
わけね』



『おまえの言うとおり奈緒を犯すくらいはするよ』

 さっきこのクズはこう言ったのだ。おまえというのが明日香のことだとしたら、僕の大
切な彼女がこのクズに僕の妹をレイプするように依頼したことになる。



『明日香のそういう手段を選ばないやり方が、奈緒ちゃんには向けられていないといい
ね』

 あのとき最後にそう言っていた有希の表情を僕は思い浮べた。



 池山が奈緒に酷いことをしようとしていたらしいことは本人の告白のとおりなのだろう。
そしてそれに対して弱い僕が敵わないまでもこいつに殴りかかったとき、池山は反撃した。
ただ、それはいきなり殴りかかった僕に対してわけがわからず反射的に反応したように思
えた。明日香が僕を庇ってくれたあとの彼の言葉がそれを証明していた。

 池山はそうすれば復縁するという明日香の言葉に踊らされていたようだった。それが本
当だとしたら、明日香は奈緒をレイプするように池山に頼んでいたということになる。有
希があのとき言った言葉の意味がようやく僕にもわかってきた。

「おまえ、こいつのこと本気で好きなの?」

 池山が明日香を睨んで言った。これだけ強面の男なのにそれは泣きそうな表情に見えた。

 明日香は池山の方を見ず、彼女らしくないおどおどした表情で半分泣きそうになりなが
ら僕を見た。このとき僕はどういう目で明日香を見ていいのかわからなかった。明日香へ
の愛情には疑いはない。彼女の僕への献身と愛情を鑑みればその気持を無視するなんて考
えられない。

 でも明日香が僕の妹を、僕の奈緒をレイプさせようとしたことが本当だとしたら、僕の
明日香への気持はどうなのだろう。多分僕は明日香がそんなことをした動悸については理
解していたと思う。明日香は奈緒のことを警戒していたし、僕のことを誘惑して残酷に貶
めようとしたひどい女だと思っていた時期があった。そのことは明日香本人からも聞いて
いた。

 ・・・・・・結局、これも明日香が僕を守ろうとして暴走してしまった結果なのだろう。中学
生の少女をレイプさせようとするのはもちろん行き過ぎだし、それが自分の妹のことだと
思うと許せない気持ちもある。でも、明日香は奈緒を誤解し憎んだ挙句に暴走してしまっ
たのだ。そして、その主な動機は僕を救うためだ。

 明日香はそのことを後悔し怯えた目で僕を見ている。明日香はプロポーズまでした相手
だ。僕の婚約者なのだ。

「そいつに言ってやれよ」

 僕は明日香に言った。

「え?」

「僕がおまえの彼氏だって、将来を誓った仲だって言ってやれよ」

「・・・・・・お兄ちゃん」

 明日香が再び僕の手を強く握った。そして俯いていた顔を上げた。今まで混乱していた
その表情にはしっかりとした決意が現われているように見えた。


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