過去ログ - ビッチ・2
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198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/09(木) 23:33:15.92 ID:eJmhesKmo

「おかしいなあ」

 明日香がカートを押す僕の腕に自分の手を絡めながら不本意そうに言った。

「叔母さんのピザを見たらあたしの方がまだしも料理ができるんじゃないかと思ったんだ
けどなあ」

「まあ料理だってスキルが必要だしさ」
 もう今夜の食事はカップ麺であることにとうに納得していた僕は答えた。「そのスキル
の中には食材の調達能力とかもあるんだろうしね」

 それは明日香だけでなく僕にも備わっていないスキルだ。

「あたしより玲子叔母さんの方が料理が上手だとかって考えてない?」

「思ってないよ。あのピザを食べるならカップ麺のほうがまだしもましだと思うよ」

「そういうことじゃなくて。まあ、別にいいけど」

 明日香はそう言ったけど、あまり納得していないようだった。

「どうした」

 何かを考え込んでいる明日香に僕は聞いた。

「奈緒ちゃんとか有希とかなら、きっと家庭的で料理も上手なんだろうなあ。スーパーに
来て何を買っていいのかわからないとかって考えもしないんだろうね」

 明日香がぽつりと言った。

 奈緒とか有希と比べる必要なんかないよ。僕はそう言えばよかったのだ。何でこんな簡
単なことが言えないのだろう。もう明日香以外の女の子と付き合わないと決めたのに。

「ファミレスとかで食事して行く?」

 これ以上明日香の曇った顔を見たくなかった。場合によってはもっと明日香を傷つけた
かもしれない言葉だったけど、幸いにも彼女はおとなしくうなずいた。僕たちはスーパー
で購入したインスタント食品がつまった買物袋を提げたままでファミレスに向った。

 駅ビルの中のファミレスはカップルだらけで混みあっていた。そこは前に有希と三人で
よく待ち合わせをした店だった。

「ピザとフライドチキンにする?」

 メニューを眺めずに僕は明日香に聞いた。

「何でそうなるのよ」

「だって、好きなんだろ」

「・・・・・・ここのピザは大きいから一人じゃ食べきれないもん」

「じゃあ二人で分ければいいじゃん」

 明日香が広げたメニューから目を上げた。


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