245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/12(水) 23:21:12.05 ID:kCQODl6lo
放課後、下校しようと校門まで来た僕は校門前に女さんが立っている姿に気がついた。
「奈緒人君」
「君も今帰り?」
「うん」
「あれ? 今日は部活ない日じゃなかった?」
うちの学校は進学校だったので、部活動は制限されている。土日祭日と平日のうち月曜
日と木曜日は教室や図書室での自習以外は下校しなければいけない。いつもなら今日は女
さんと兄友は一緒に下校デートをする日じゃないか。
「あいつ勝手に帰っちゃったし」
あんなに仲が良かった二人なのに、目の前の女さんは唇を噛んで俯いている。
「あのさ」
女さんが顔を上げ僕を見た。
「さっきはごめん。君にひどいこと言っちゃった」
「別に気にしてないけど」
「今日、何か用事ある?」
用事はある。真っ先に家に帰って明日香と一緒に過ごしたい。過去を探りたいという強
い欲求さえ明日香の側にいたいという気持ちに勝ることはない。僕は正直に明日香に会い
たいという気持ちを女さんに伝えた。
「そうだよね。ごめん」
「別に謝ってもらわなくてもいいけど。それよか、兄友と仲直りしなくていいの?」
「だって・・・・・・」
「・・・・・・泣かないでよ。君たちならすぐに仲直りできるって」
これだけ泣かれたら仕方がない。なるべく早く明日香のところに帰れるように祈るしか
ない。
「・・・・・・僕でよかったら話聞こうか」
濡れた瞳のままで女さんが顔を上げた。
「いいの?」
「うん」
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