過去ログ - ビッチ・2
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280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:50:34.89 ID:dvLTtGrdo

「あたしのボスのお嬢さんに聞いたの。あ、ボスってあたしの職場の上司ね」

 ボスのお嬢さん? いったい誰なんだろう。なぜその人が僕のアドレスを知っているの
か。僕は奈緒が妹だと知って彼女から距離を取ろうとしたときに、明日香の勧めで携帯の
番号とアドレスを変えた。だからもともと少なかった僕のアドレスを知っている人はその
ときに更に減ったのだ。

「誰? 僕のアドレスを知っている人はあまりいないんだけど」

「君の知っている子だと思うよ。有希ちゃん。太田有希ちゃんだよ」

 もう驚く気持ちすら残っていなかった。

 ・・・・・・また有希か。

 いったいあいつは何がしたいのだろう。まだ明日香に自分の気持を利用されたことを恨
んでいるのだろうか。いや、違う。今にして思えば有希が僕のことを好きだったなんて怪
しいもいいところだ。

 やはり、女帝絡みなのか。

 池山と付き合っていた明日香といい、仕事の取材から偶然にも事件に巻き込まれてしま
った玲子叔母さんといい、僕たちは期せずして女帝の脱法ドラッグの商売の邪魔でもして
しまっているのだろうか。

「有希ちゃんって奈緒人の友だちなんだってね。有希ちゃんから聞いたよ」

 このとき僕は何気ない表情を装うのに精一杯だった

「何でお姉ちゃんが有希ちゃんのお父さんと一緒に働いているの?」

「うん。まあ、話せば長くなるんだけどね」

「長くてもいいけど。まさかお姉ちゃん有希さんの味方なんじゃないだろうね」

「うん? お姉ちゃんは奈緒人と奈緒の味方に決まってるじゃん」

「う、うん」

 それからお姉ちゃんは話し始めた。

 お姉ちゃんは父さんのことが今は大嫌いだと言っていた。

 お姉ちゃんは家庭を捨てて出て行ったママの代わりに僕と奈緒の面倒を見てくれた。そ
の辺りの記憶は今ではあった。

「あたしはあのとき、本気で兄貴を責めたの。これまで家族全員で頑張って麻紀さんと戦
ってきたのは兄貴のためだけじゃなくて、奈緒人と奈緒をこの先ずっと一緒に暮らせるよ
うにしてあげたいって、ただそれだけだったの。それなのに」


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