335:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 23:55:47.73 ID:fByPSAUmo
「ちぇ」
有希は舌打ちすると手を伸ばして電話の子機を取った。
「何?」
無愛想に答える有希を眺めながら、あたしはうつむいまま震える手で有希によって外さ
れたブラウスの前ボタンを直し始めた。その様子に気が付いた有希が空いているほうの手
であたしの腕を掴んだ。
「ちょっと待って」
電話に向ってそう言うと有希は一度電話を置いて、両手であたしの両腕を掴んであたし
をソファに押し倒した。
「服を着ちゃ駄目。まだ終ってないんだから」
彼女に押し倒されたあたしはブラウスを直すことを許されなかった。かえって彼女はあ
たしのブラウスを掴んで肩から抜くように脱がせた。
「途中で邪魔が入っちゃってごめんね、唯。このまま少しじっとしててね」
弱々しく抗って起き上がろうとするあたしは押し倒されたまま、有希ちゃんに再度口を
塞がれた。すぐにあたしは有希の唇から解放された。電話が気になっているみたいだ。
「横になっておとなしくしてて。服を着ちゃ駄目だよ? せっかく可愛い格好になってい
るんだから」
あたしは混乱したまま身体の力を抜き抵抗を諦めた。あたしは上半身を露わにされたま
ま横たわって、有希が電話を終えあたしの元に戻ってくるのを待つことになったのだ。目
に涙が浮かんだ。いい年をしたあたしが中学生の女の子に泣かされている。
「ああ、ごめん。外線? いったい誰が・・・・・・。ああ、そうか。いいよ繋いで」
何事もなかったかのようにあたしの身体から離れた有希が再び電話を取って言った。
「もしもし。うん、そう。あたしが太田有希だよ」
「今日だったっけ? ごめんなさい、明日だと思ってたよ。うん、ごめん。ちょっと待っ
て」
一瞬、電話を片手で押さえて有希があたしを見た。目で身体を愛撫されているような感
覚が体内から沸きあがり、じっとしているように有希に言われていたにも関わらずあたし
は思わず身体を横向きにして、有希の無遠慮な視線を避けようとした。
「動いちゃ駄目。そのままあたしからよく見えるようにじっとしてて」
「・・・・・・有希ちゃん」
「せっかくこれから楽しいことをするはずだったのに、ちょっとだけ面接しなきゃいけな
くなっちゃった。あたしのこと怒らないでね」
答える間もなく有希は再び電話に戻った。
「いいよ。これから事務所に来て。お話しましょう。パパからだいたいの話は聞いている
から」
「うん、うん。え、すぐに来れるの? 今どこ」
「そうか、駅にいるんだ。じゃあ、五分もかからなないね。受付には言っておくから」
電話を切った有希があたしの傍らに立った。
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