過去ログ - ビッチ・2
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375:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/28(土) 22:37:22.17 ID:mxiU2Byio

 有希も自分自身が直接的な暴力に対しては無力であることは承知していた。だから、最
初の日は父親の許可を得て父の運転手をボディーガードにすることにした。遠山はパパの
運転手兼ボディーガードだ。

 最初に接触したのは繁華街のゲームセンターにいた金髪ピアスの男だった。

 最初有希が彼に話しかけたとき、彼はじろっと値踏みするように有希を眺めて関心なさ
そうに無視した。きっと中学生の女の子だと知って相手にする気をなくしたのだろう。そ
れでも有希が彼に対してどうでもいい世間話を続けていると、彼はイライラしたように有
希を睨んだ。その視線が有希の顔に留まったかと思うと、やがて彼は値踏みするように有
希の全身を舐めるように眺め出した。きっと有希の容貌や容姿に気がついたのだろう。

「誰? おまえ」

「あたしは太田有希ですけど」

「はあ? 中学生だろおまえ。俺に何か用?」

「ええ。お名前を伺ってもいいですか」

「名前って俺の?」

「はい」

「ええと。俺は池山、池山博之っつうんだけど」

「ヒロユキさんですか。初めまして」

「つうかおまえマジで俺に何か用あんのかよ。何で俺の名前なんか聞いた?」

「あの。お知り合いになってもらえませんか」

「はあ?」

「ヒロユキさん、格好いいんでお友だちになってもらえないかなって思って」

 池山と名乗った男は相変わらず不機嫌そうな、威嚇するような態度を維持しようとして
いたみたいだけど、密かに笑いのような表情が口元に浮かんでいるのことが有希にはわか
った。こいつもやはり単純な男の子だったのだ。それでも有希の頭の中の構想を実現する
にはこういう男の子から地味に始めるしかない。父親を見返して感心させるためなら、大
概のことは目をつぶらなくてはいけないだろう。

「おまえ、ゲーセンとか初めてか」

 池山がじろじろと有希の身体を眺めながら言った。

「はい。校則で下校中は本屋以外に寄り道してはいけないので」

「おまえさ。その格好でここにいるのってやばくね?」

 富士峰のセーラー服姿を舐めるように見回しながら池山が言った。

「そうなんですか」

 有希は無邪気な笑顔を池山に向けて言った。

「まあ俺には関係ねえけどさ。ここはしょっちゅうおまわりとかが顔を出すしよ。その格
好じゃ捕まえてくださいって言ってるようなもんだな」

「え。やだ」

「やだって言われてもよ」

「じゃあ、どこかに連れて行ってください。警察の人とか先生とかが来ないところがいい
な」

「何で俺が」

「・・・・・・駄目ですか」

 有希が自分の清楚な外見を利用したのはこれは初めてだった。これまでの有希はその逆
のことをして大人たちを不意打ちしてきたのだ。清楚で可憐な外見を裏切るような発言を
武器にして。

 やってみると思ったより簡単なことで、しかも効果は抜群のようだった。まだ虚勢を貼
ってはいるけど、この金髪ピアスの男は有希に興味津々のようだった。ひょっとしたら彼
もパパと同じで無垢な女の子を汚す歪んだ興味を持っているのかもしれない。その証拠に
この池山という男の視線は彼女の顔よりは富士峰のセーラー服の方により向けられている
ようだった。


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