過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」憧「阿知賀編、その２ね」【阿知賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」憧「阿知賀編、その２ね」【阿知賀】

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933: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2013/02/23(土) 20:32:11.25 ID:8+hoADrj0
あははっ、と快活な笑い声が聞こえる。

きっと、その声を発するにふさわしい、満面の笑みが浮かんでいることだろう。

顔を見れないのが惜しい。

豊音「えっと……こっちだったかな？」

京太郎「……迷うとか早めてくださいよ？」

豊音「大丈夫っ！」

豊音「私に任せて！」

京太郎「……んじゃ、任せます」

豊音「ドーンと来て！」

……腕の力をいっそう強くした。

なんだか、ペースが上がりそうな気が下から。

ぐ、と。

豊音「ん、どしたのー？」

京太郎「いや、別に」

豊音「そっかー、ふふっ」

静寂が広がる。

豊音「ぽ、ぽ、ぽ」

否、その声だけが響く。

するとまた、俺の脳内は同じ事を考え始める。

声も聞いているから余計に、その疑いが強くなる。

『ぽ、ぽ、ぽと鳴くんだと』

いや……八尺様であるはずがない。

だって、だって、だって。

――ああ、疑念が消えない。

くそ、変なこと教えやがって。

いや、俺を心配してくれたのだからむしろ感謝するべきなのだけど。

ただ、このときだけは。

……。

……きっと、この思いを完全に消すには彼女自身にそれを聞いて、それが嘘であることを確かめるしかないだろう。

ならば、聞こう、聞いてやる。

どうせ、答えは決まっているんだ。

そう、彼女が八尺様だなんてありえないんだから。

それなら湧き水についたときにでも、聞いて。

笑い話にしてしまおう。

………………。
…………。
……。

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