過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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869:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:46:46.58 ID:ZfgmnGXw0
「涙絵さん、席ついてー」
学習委員である森本彩菜(女子14番)から注意され、れなかはしょんぼりしながらずるずると、 引きずり込まれるように席に戻っていった。それがホラー映画でよくあるようなワンシーンのよう で、美織は冷や汗をかいた。面白がって映画のワンシーンを再現するところを見るとどうしようも ない脱力感がすぐにやってくるのだ。気がつくと香太とかけるはいなかった。どうやら呼ばれたら しく、池了(男子3番)のグループに混じっていた。ようやく落ち着けるかと思った直後、声が飛んできた。


870:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:47:35.73 ID:ZfgmnGXw0
「さっきの話、もっと聞かせてくれない?」
美織の隣に、先月かもっと前に転校してきた渡辺彩(女子17番)が座っていた。本来ならその席 は山下守(男子14番)のものだが、守は了たちと雑談している。いつものことで気にしなかった が、転校生と話すのは今日のこの時が初めてだった。友達が充分にできたらしく、初日よりは生き 生きとしている。たまにはいいかと思って、美織は言った。
「さっきのって俺の家族のこと?」
「そうそう、勝手に聞いちゃってごめんだけど面白かったからさ。大家族というのは何人ぐらいい るの?」
「俺含めたら10人ぐらいはいるんでないか」
以下略



871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:48:08.60 ID:ZfgmnGXw0
「へえ、さみしくないの?」
「はへあ?」
「え、だってお父さんお母さんいなかったらさみしくない?お父さんとキャッチボールしたり、お 母さんに毎日ご飯作ってもらったりとかできないじゃない?そういうのむなしくない?」
「どこの定番親子だ、それ。別にさみしくないけど。弟や妹がいるし」
「あ、そっかー今度その子たちに会いたいな。遊びに行っていい?」
以下略



872:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:48:44.58 ID:ZfgmnGXw0
意外に謝りはしなかった。それどころか訊いてきた。こういった人は初めてだったので何となく変 な気持ちになる。いいと返事すると渡辺は笑って手を振り、自分の席に戻った。見送った先に、渡辺の隣には若林未希(女子16番)が座っていた。この人も渡辺と共に転校してきたが、実際のと ころどうなのかはよくわかっていない。ただ、わかっていることは、渡辺とはよく話すことだけ。 まあ、女子とはあまり関わらないのでどうでもよかったのだけれども。


873:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:49:15.01 ID:ZfgmnGXw0
更に右側の座席に目を向けると、そこには水瀬雫(女子13番)が座っていた。誰とも話さず、た だただじっと座っている。それもそのはず、大野椛(女子2番)たちにいじめを受けているのだか ら、話したくてもできないだろう。助けたいのは山々だが、今は見て見ぬフリをしてしまっている。 それは香太やかけるも同じことをしていて、言われなくても全員が黙っているのだ。何もできずに いるが、雫が求めているものが救いではない限り、おせっかいをむやみに押しつけては、それさえ もいじめになるだろう。何人かはやりたくてやっているわけじゃないことも、美織は知っていた。


874:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:50:00.01 ID:ZfgmnGXw0
「おーい、そろそろ休憩に入るぞ、カーブに気をつけとけー」
担任の相田がどうでもよさそうに声かけた。普通なら席を立つことに注意をするはずだが、そうしない。いつものことなので諦めてしまったんだろう。もう少し教師なら何とか耐えて頑張ってくれ。 それと、いじめを止めてくれ。教育放置はよくないと思うぜ。


875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:51:24.77 ID:ZfgmnGXw0
バスが止まる。そのときに全員が扉から飛び出るように走り出した。中にはトイレに行く者、売店 で何かを買う者など、様々だった。美織は自動販売機に行って、飲み物を買おうと財布から小銭を 取り出す。カルピスを買おうとボタンと押す前に誰かが勝手に押した。出てきたものがホット缶コ ーヒー。美織は顔を歪めて仕掛け人を睨みつけた。


876:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:52:03.66 ID:ZfgmnGXw0
「……おい」
「みおみーお、男がカルピスなんて恥ずかしいぜー?」
「偏見だ、好みの問題だ、金返せ、みおみお言うなボケ」
「ちみっちゃいこと気にすんな!大人への一歩踏み出すんだ、さあ!」

以下略



877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:52:32.08 ID:ZfgmnGXw0
先程からふざけている麻月良也(男子2番)とは小学校からずっと知り合いでいた。最初は面白く て行動を共にしていたが、時間が何を変えたか、美織は麻月といるのが少し苦痛になってきて、だ んだんと離れていった。それ以来、話さなかった時期も長かったのに同じクラスになった途端、変 なあだ名で声をかけられるようになった。みおみおなんて、なんか女っぽいじゃないかと嫌になる ぐらい最初の頃は呆れた。それが今になると流石にうざく感じてくる。なるべく距離を置いて関わ らないようにしたかったのだが。


878:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:53:10.32 ID:ZfgmnGXw0
「いっぺん死んで、もう戻ってくるなお前」
「戻ってくるって、俺は生きる旅人だからさ!」
「だったらどっか行けもう、月下がいるだろ」
「みおみお、冷酷!」
「うっせ、さっさと行け、二度と近づくな暇人」
以下略



879:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:53:44.04 ID:ZfgmnGXw0
休憩が終わったと告げる音が響いた。更には担任の声まで聞こえてくる。そろそろバスに戻らなけ れば本気で俺だけ置いていかれそうだ。しかし、この手にあるホットコーヒーはどうしたものだろ う。元々コーヒーは苦手だ。あてつけるようで悪いけど、中瀬礼也(男子12番)にあげよう。何、 あいつなら笑って飲んでくれるさ。多分。


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