過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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859:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:39:52.14 ID:ZfgmnGXw0
「まさかとは思うけど、ここに来たのってあれ?」
「……あ、わかった?ということは、みーも?」
渡辺がにっこりと笑みを浮かべると、若林も掴んでいた手を引っ込めて同じく笑った。立ち上がっ て町の景色をじっと見渡し、それからまた二人の目があった。
「未希ってどこから来たんだっけ?」
「埼玉。でも小さいよ、東京の方がすごいし」
以下略



860:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:40:37.73 ID:ZfgmnGXw0
人間関係は浅く広く。それが若林のルール。
人間関係は深く広く。それが渡辺のルール。



861:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:41:07.95 ID:ZfgmnGXw0
世界が変わっていく中で、どっちが傷つくのかは目に見えている。だから若林は言ったのだけれど も。後になって傷つくのは自分であって、相手はちっとも傷つかないと。渡辺はそれでも変わらず に笑って、若林の額に自分の額をぶつけた。突然の頭突きに、若林はしゃがんで、じわじわとやっ てくる痛みをおさえた。それを見て、渡辺は面白そうに笑った。


862:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:41:44.67 ID:ZfgmnGXw0
「あっはは、今時ひっかかる人いるんだー、おっかしー!」
「おま……せっかく人が心配して警告してやってんのに……っ」
「ごめんごめ、でも受け取るにはちょい時間がかかるよ。だって、それでも信じてみたいと思うん だよね。今までそういうことでもがいて、結局ダメだったけどもうこれで最後にする。正直、もう 疲れたんだ」
「……俺でもう最後にしないか?そういうちっぽけなものは」
「未希で最後?そうだね、それもいいかも。そしたら傷つかないだろうしね」
以下略



863:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:42:35.54 ID:ZfgmnGXw0
「……そろそろ離しません?力比べだったら俺の小指がもげる」
「いやーどっちが強いかなっとね。やろうよ、力比べ面白そうだし」
「お前は子どもか!いいから離せ、痛え!」
「中学生だって子どもだよ、若林さん」
「じゃあ小さい子ども以下だっ!」
以下略



864:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:43:20.41 ID:ZfgmnGXw0
世界は廻り、状況も変わりゆく。これから起きることを、少女達は知っていた。そのためにここに いるのだから。



865:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:44:06.77 ID:ZfgmnGXw0
火田美織(男子13番)は非常に困っていた。集合後、バスに乗って今山口県へ直行している。 3年になったら修学旅行とかそういった行事がなくなる。受験に集中しなければならない。そのた め、2年のうちに楽しむことは楽しもうと現在に至る。しかし、美織はとてもはしゃぐ気になれな かった。美織には大家族の兄弟がいる。双子やら何やらで結構体力がいるため、自分がいない間、 次男達が耐えられるかどうかがわからない。何せまだ小学4年生なので、いくら大人びたとは言っ ても美織のように家事などを充分にこなせるはずはない。休めばよかったと後悔しても、もう遅す ぎた。



866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:44:51.54 ID:ZfgmnGXw0
「火田ー、何辛気臭い顔してんだー?」
大下香太(男子4番)がひょこっと美織の顔を覗き込む。香太の隣には長年一緒にいるらしい親友 の水本かける(男子8番)が立っている。今はまだバスは高速道路を走っているはずだが。でも香 太とかけると同じく席を移動している常識知らずのクラスメイトが多数いるので、あえて何も言わ ないようにした。見て見ぬフリも同罪なのはわかっている。
「いいよな、お前らは……兄弟いないんだろ?」
「あー火田はいるもんなーいっぱい」
「こないだ遊びにきた時はびっくりしたよ、うじゃうじゃいるんだもん」
以下略



867:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:45:25.64 ID:ZfgmnGXw0
それでもお前らは弟たちと笑って遊んでくれるから、俺にとってはとても喜ばしいことなんだがな。 でも水本、妹にあれはないと思うぞ、サンタクロースの正体がどうのこうのって。頼むから子ども たちのささやかな夢を平気で壊す保育士にはならないでくれたまえ。そんなまっすぐで本当のこと しか教えない現実的な幼稚園の先生は、夢見る子どもたちにはいらん。
「えー、それって悪いことなの?」
おもっくそ悪い。
「香太、俺のやってること悪いことか?」
「そうでもあるし、そうでもないような?」
以下略



868:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:46:15.38 ID:ZfgmnGXw0
この二人と関わっているとろくなことにならないのは目に見えている。視線を変えようと窓を見る とすぐにひょっこりと女子の顔が現れた。思わず驚きの声を発して立ち上がってしまう。よく考え たらただ単に後ろの座席から身を乗り出してきただけのこと。予想以上の反応だったらしく、涙絵 れなか(女子15番)は笑い始めた。
「にゃっにゃっにゃー!ご機嫌はいかがかにゃ?」
「あのさ、涙絵、頼む、驚かすのは火田だけにしてくれ」
「とりあえず、全部やめとけ。悪戯やドッキリは大嫌いだぞ、俺」
馬鹿げたことを言い出す香太に美織は呆れる。れなかは何の趣味があってか、よく猫耳をつけて学 校にやってくる。流石にしっぽはないのだが、語尾に「にゃ」までつけている辺り、相当の猫好き だとはよくわかった。因みに美織は動物が苦手なので、何が好きとか何が嫌いだとかそういう問題 ではない。ただし、苦手イコール嫌いは全くない。
以下略



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