過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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2013/03/02(土) 04:49:15.01 ID:ZfgmnGXw0
更に右側の座席に目を向けると、そこには水瀬雫(女子13番)が座っていた。誰とも話さず、た だただじっと座っている。それもそのはず、大野椛(女子2番)たちにいじめを受けているのだか ら、話したくてもできないだろう。助けたいのは山々だが、今は見て見ぬフリをしてしまっている。 それは香太やかけるも同じことをしていて、言われなくても全員が黙っているのだ。何もできずに いるが、雫が求めているものが救いではない限り、おせっかいをむやみに押しつけては、それさえ もいじめになるだろう。何人かはやりたくてやっているわけじゃないことも、美織は知っていた。
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2013/03/02(土) 04:50:00.01 ID:ZfgmnGXw0
「おーい、そろそろ休憩に入るぞ、カーブに気をつけとけー」
担任の相田がどうでもよさそうに声かけた。普通なら席を立つことに注意をするはずだが、そうしない。いつものことなので諦めてしまったんだろう。もう少し教師なら何とか耐えて頑張ってくれ。 それと、いじめを止めてくれ。教育放置はよくないと思うぜ。
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2013/03/02(土) 04:51:24.77 ID:ZfgmnGXw0
バスが止まる。そのときに全員が扉から飛び出るように走り出した。中にはトイレに行く者、売店 で何かを買う者など、様々だった。美織は自動販売機に行って、飲み物を買おうと財布から小銭を 取り出す。カルピスを買おうとボタンと押す前に誰かが勝手に押した。出てきたものがホット缶コ ーヒー。美織は顔を歪めて仕掛け人を睨みつけた。
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2013/03/02(土) 04:52:03.66 ID:ZfgmnGXw0
「……おい」
「みおみーお、男がカルピスなんて恥ずかしいぜー?」
「偏見だ、好みの問題だ、金返せ、みおみお言うなボケ」
「ちみっちゃいこと気にすんな!大人への一歩踏み出すんだ、さあ!」
以下略
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2013/03/02(土) 04:52:32.08 ID:ZfgmnGXw0
先程からふざけている麻月良也(男子2番)とは小学校からずっと知り合いでいた。最初は面白く て行動を共にしていたが、時間が何を変えたか、美織は麻月といるのが少し苦痛になってきて、だ んだんと離れていった。それ以来、話さなかった時期も長かったのに同じクラスになった途端、変 なあだ名で声をかけられるようになった。みおみおなんて、なんか女っぽいじゃないかと嫌になる ぐらい最初の頃は呆れた。それが今になると流石にうざく感じてくる。なるべく距離を置いて関わ らないようにしたかったのだが。
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2013/03/02(土) 04:53:10.32 ID:ZfgmnGXw0
「いっぺん死んで、もう戻ってくるなお前」
「戻ってくるって、俺は生きる旅人だからさ!」
「だったらどっか行けもう、月下がいるだろ」
「みおみお、冷酷!」
「うっせ、さっさと行け、二度と近づくな暇人」
以下略
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2013/03/02(土) 04:53:44.04 ID:ZfgmnGXw0
休憩が終わったと告げる音が響いた。更には担任の声まで聞こえてくる。そろそろバスに戻らなけ れば本気で俺だけ置いていかれそうだ。しかし、この手にあるホットコーヒーはどうしたものだろ う。元々コーヒーは苦手だ。あてつけるようで悪いけど、中瀬礼也(男子12番)にあげよう。何、 あいつなら笑って飲んでくれるさ。多分。
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2013/03/02(土) 04:54:20.28 ID:ZfgmnGXw0
あのバスの中、中瀬礼也(男子12番)に押しつけたら「いらない」と笑顔でかわしやがった。 あいついつの間にそんな大技を身につけたんだ。まあ、今はもう夜でホテルの中だ、コーヒーもアイ スに変わって、かなり時間はかかったが飲み干した。気持ち悪いぐらい微妙な味だった。
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2013/03/02(土) 04:54:52.08 ID:ZfgmnGXw0
2年E組は32人で少ないので、男女別に部屋が分けられているが、5人ずつ班に分け、部屋を与えて くれた。当然、おとなしく寝るわけではなく、全員集まって枕投げをしてバカ騒ぎをした。火田美織 (男子13番)はすみっこで布団の中に潜り込んでいた。月下計介(男子9番)と赤本険(男子1番) が枕を持って美織に近づいてきたので、美織は防ぐように顔まで被った。月下が慌てて毛布を引っ張り 出そうとした。
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2013/03/02(土) 04:55:42.36 ID:ZfgmnGXw0
「お、おい、火田何で隠れるんだ!?」
「悪い、ほっといてくれ」
「ちょ、まさか俺らが投げるとでも思ってんのかよ!」
「思ってる、98%は思ってる」
「2%はどこ行ったんだ!」
以下略
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