過去ログ - [安価][選択][コンマ]　ダンガンロンパ　4　真 -SS速報VIP

過去ログ - [安価][選択][コンマ]　ダンガンロンパ　4　真

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923:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:24:17.54 ID:ZfgmnGXw0
何か伝える術はないかと考えていたら、兵士が銃口をこちらに向けてきたので仕方なく断念した。これは、私語をすれば容赦なく撃つということか。ありえない。本当にあれは本物なのか？確かめてみたいのは山々なんだが、仮に本物だったらあの世行きで、弟達が残されるっていうことになる。やっぱりやめよう、あいつらが大人になって自立できるまで俺は[ﾋﾟｰｰｰ]ない。

924:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:24:56.43 ID:ZfgmnGXw0
だって、俺が死んだらどうする？あいつらはどうやって生きていく？次男と三男が、俺でさえも面倒になる多数の妹や弟の世話を完全にこなせられるのか？もし、問題になったら、誰が責任を取る？親はどこに行っているのか、どこにいるのかさえもわからない。しかも育てる気のない子どもを俺に押し付けるんだからそりゃいても役に立たない。次男の惟織が背負うことになってしまう。いや、なんてことだ、どうすりゃいいんだよ。

925:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:25:35.82 ID:ZfgmnGXw0
「えーと、男子１３番、火田美織君で合ってますよね？」
羽田が分厚い書類を見ながら声を出した。多分、あれは俺達の名前か何かが書かれているんだろうな。ここは何か言わないと別の名前にされかねないので頷いたら、にっこりと笑いやがりましたとさ。

「兄弟がいるんですね。大丈夫ですよ、あなたが死んでもその子達は施設送りで済みますからご安心ください」
だからふざけんな。お前に何がわかるってんだよ。

926:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:26:20.54 ID:ZfgmnGXw0
その後出発の時間になった。封筒から取り出された紙には一番最初に出発する生徒の名前が書かれているらしい。しかし、本来は山口中学校の生徒のものだったので、今さっき兵士の誰かが作り直してきたんだそうな。どうでもいいが、プログラムに選ばれた人達の学校を間違えるなんてこと、まさか俺たちが初めてでなかったりするんだろうな。前にもあったら、相当お間抜けなランダムをやっているご様子で。もう俺にとってはどうでもよくなってきた。

「男子１１番の長崎こう君、あなたが最初に出発します」
早速間違えてるよ。まあ、確かに長崎の名前はそう読めなくもないが、そんなに難しい話じゃない。肝心の長崎はというと困った表情でゆっくりと立ち上がっていった。今、ものすごい複雑そうに顔を歪めていたが、もう言ってしまえ、長崎。でも、名前をこんなふざけた奴に覚えられると思うとすごく腹が立つな。

927:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:26:50.94 ID:ZfgmnGXw0
「長崎、さっさと早くいきなさい」
「いや……あの俺の名前こうじゃないです。かおるって読みます」
「え、そうだったのかー？いやーあはは、すまんすまん、訂正しとくよ。いいから早くいきなさい」
「はあ……」
長崎すごい言いたそうだな、あははじゃねえぞって。いや、あいつはそんな性格じゃないので、むしろあれが長崎らしいのだろう。たしか、妹がいると聞いたことがある。なのに間違いでプログラムに選ばれるなんて、妹もとんだ迷惑だろう。長崎は兵士からディパックを受け取って数秒戸惑っていたが、教室から出てゆっくりと走ってきたようだ。羽田は一枚の紙に目を向けた。

928:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:28:24.24 ID:ZfgmnGXw0
「じゃあ女子１１番、流下夏乃さん。合ってるよなー？」
「はい、合ってます」
流下夏乃（女子１１番）はにっこりと笑った、はずだったが引き攣っていた。おそらく、何でこんなふざけたことあたしたちがしなきゃいけないんだよとか頭の中で文句を言ってるに違いない。大野椛（女子２番）が険しい表情で羽田を睨みつけていた。腹が立つのはわかるが、睨むのだけは遠慮して頂きたい。あいつなら何か刃物でも隠し持っていそうで危ない。流下がディパックを受け取ってメモか何かを大野に渡していた。それだけでも俺はやばいんじゃないかと目を張ったが、羽田も兵士も何もしかけてはこない辺り、前のプログラムにも、メモを渡しあっていた生徒がいたのかと思われる。早速行動にうつしたかったが、渡す相手が遠すぎるのでやめておいた。この間の悪さはいくら何でもないだろう。

929:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:28:53.12 ID:ZfgmnGXw0
「次、男子１２番中瀬礼也君」
中瀬が立ち上がる。あいつはきっと怯えているだろう。何せ元々ホラーとかびびりながら見ていた奴だしな。池了（男子３番）にも呆れられていたっけな、そういえば。
「火田」
顔を上げた途端に、手に紙のようなものが握られ目を丸くする。中瀬はただ悲しそうに笑うばかりで、あとはもうディパックを受け取ってさっさと逃げるように走ってしまった。紙をそのままポケットの中に突っ込む。あとで読もう、まずはそれからだ。なんて書いてあるのかまでは流石にわからないが。つか、今思ったが、みんなメモとかどこから持ってきているんだ？

930:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:29:36.06 ID:ZfgmnGXw0
「次、女子１２番、成美美奈さん」
成美という女子、そういやいたなと今更思い出す。だから、前にも言ったように、いじめをしている女子はみんな、同じ顔に見える。忘れててもおかしくない、忘却なんて誰にでもあることだ。成美は複雑そうな表情を浮かべてディパックを受け取っていた。まあ、何というか普段笑いながら派手に悪事を行った奴が殺し合いをしてもらいますって言われたとたん、これだ。怖いものは怖いんだ。そう、呟いているかのように成美はひもをぎゅっと掴んで乱暴にディパックを背中に揺らぎながら出ていった。お前が怖い。

931:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:30:14.16 ID:ZfgmnGXw0
「次、男子１３番、火田美織君」
俺の番が来た。溜息をついてゆっくりと兵士に近づく。よくよく見ると女か男すらもわからない顔立ちをしているもんだ。ディパックを受け取って多少よろける。重い。もしかしたら武器がとんでもなく、当たりなのではないか？教室を出ようとして、月下計介（男子９番）に視線を変える。やはり、その表情は変わっていない。よく見たら木村拓（男子５番）や川瀬愛（女子５番）も月下同様に表情を浮かばせている。一体どうしまったってんだ。

932:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:30:50.06 ID:ZfgmnGXw0
廊下を歩いて、出口へと向かう。窓は変わらず何かで固定されてしまっていた。薄暗くて歩きにくい。なのに、何故誰も立ち止まっていないのだろうか。普通なら壁にぶつかるかもと警戒して歩くはずだが。あ、走らなきゃいけないのか。歩きならそりゃ恐怖も倍増するわな。とりあえず、ゆっくりとだが走りだした。

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