過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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2013/03/02(土) 05:31:34.69 ID:ZfgmnGXw0
しばらく経って見えたのは、真っ暗な世界。そこではじめて今は夜なのだと気付く。舌打ちをして中瀬 に渡されたメモを取り出した。折りたたまれているのを軽くめくる。
「了が北で待てってさ。もし余裕があったら来いよ、何か考えよう」
余裕ねえよ。つか北どこだよ。ここがどこだかわからない限り、永遠に地理感覚を取り戻すことは絶対 にない。見た感じ、どうやらここは福岡ではないらしい。福岡にある島ならもっと小さかったはずだ。 だとすると、山口か?山口の島ってあったっけ。考えても仕方ないからとりあえず池が言う「北」に向 かってみよう。
「みおみーお!」
一瞬耳を疑った。おそるおそると振り向いていくと、こちらに向かって走ってくるツンツン頭の男。最 も会いたくない男、麻月良也(男子2番)が何で向かってくるんだ。つかお前まだ出てくるのずっと先 じゃねえか。
以下略
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2013/03/02(土) 05:32:22.77 ID:ZfgmnGXw0
川瀬愛(女子5番)が廃校から出たところに、森本彩菜(女子14番)がひょっこりと愛の前に現 れた。おたがいぎゅっと抱き合って「生きようね」と約束した。今は、川辺彩香(女子6番)が出てく るのをただ待つのみだった。どうか無事に出てこれるよう二人で祈って。 三人はいつも一緒だった。彩菜が作曲をしているところを声かけて以来、ずっと一緒。愛は作曲家になると言っていた彩菜がうらやましかった。自分が好きなことを仕事に生かせる人は全くいなかったから。 そして、自分もそうであれる自信はない。もう前になくしてしまったから。
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2013/03/02(土) 05:33:05.90 ID:ZfgmnGXw0
「ねえ、愛ちゃん」
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2013/03/02(土) 05:33:33.63 ID:ZfgmnGXw0
「何?」
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2013/03/02(土) 05:34:12.68 ID:ZfgmnGXw0
「みんな本当にこのゲームに乗ったら私達どうしようかな?男子が乗ってたら勝ち目ないでしょ、絶対。 私達、あんまり力がないし、男子が強いし。それにさ、信じられるのって愛ちゃんや彩香ちゃんだけだ と思うな、私」
「どうして?」
「だって、やっぱり怖いじゃん。女の子でまともなのって多分大島さんか、れなかちゃんだけ。大野さ ん達は、ほら、水瀬さんいじめてるでしょ?何か信じられなくってさ。あと、小本さんは話したことな いし、怖そうだし、とても声かけられないよ。男の子だったらみんな信じられると思う。2年E組ってなんか壊れちゃってるもん」
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2013/03/02(土) 05:34:59.61 ID:ZfgmnGXw0
男子については確かに信頼できる。赤本険(男子1番)や、池了(男子3番)のグループについては特 にそうだ。火田美織(男子13番)は充分会話を交わしたことがあり、お互いを少しずつ知っていって いるので、言われなくとも信じている。美織は1年の2学期に転校してきた自分に校内案内をしてくれ た。先生に言われたわけでもなく、生徒会とか偉そうな肩書きをせおっているわけでもなく、ただ親切 に。それがうれしくて、仕方なかった。落ち込んでいる私に「どうした?」とか言わずに案内して、そ れっきり。
「彩菜。火田君は大丈夫?信じられる?」
「うん、当たり前!それに火田君はおもしろいし、優しいし、面倒くさがり屋だけど頼りになるでしょ。 私、いつか曲を完成させたら、火田君に無理矢理歌わせちゃおうかな?」
「あはは、それは流石に可哀想だよー」
二人で談笑していると、女子が走ってきたのが見えた。それが彩香の姿で、二人共安心する。声をかけると彩香が驚いて立ち止まり、どこにいるのか周りを見回っていた。彩菜が笑いながら姿を見せて、手 招きすると、彩香の表情が明るくなった。やっぱり彩香も怖くて不安だったんだなと愛は心の中でひっそりと呟いた。
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2013/03/02(土) 05:36:07.49 ID:ZfgmnGXw0
二人が今まで話していたことを全て彩香に話した。すると彩香はきょとんと目を丸くしたのだった。三 人で歩きながら話していたらそのうち誰かに見つかるかもしれないが、夜を利用すればいい。誰もが、 夜は動き回ると危ないと考えるだろうだから。愛が不思議そうに彩香を見つめた。
「どうした?」
「いやー、信じるとか信じないとかってあれだけど、転校生は?若林さんと渡辺さんはどうなの?」
「未希ちゃんと彩ちゃん?んー……愛ちゃん、どう思う?」
「どう思うって言われてもなー……」
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2013/03/02(土) 05:36:49.07 ID:ZfgmnGXw0
彩菜や彩香が不思議そうな顔を浮かべた。殺し合いとは普段聞いたことがない単語なので、現実味がな いのもよく三人にとってはわかる。多分他のみんなも同じことを思っているだろう。愛は続けて言った。
「多分、乗りそうなの大野さんたちだと思うけどさ、仕方ないよね。疑ってもおかしくないぐらい、あの人達は悪いことをしているもの。だけど、私達黙ってるだけで本当にいいのかな。何もしない方が安 全なんだろうけどさ」
愛の言葉を聞いて、彩香と彩菜は考えるように黙ってしまった。それは愛も同じことだ。何もしないこ とは確かに安全で、ひょっとしたら最後まで残れるかもしれない。だけど、本当にいいのだろうか。何 もしないまま、生きても後悔することになる。死んでも同じことだが、そうなったら絶対悔しい。
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2013/03/02(土) 05:37:17.12 ID:ZfgmnGXw0
「ねえ、大丈夫なのかな、このままで」
愛が最後にゆっくりと言った。しかし、次の言葉はここにいる誰の声でもなかった。
「このままでいいよ、黙ってるだけでいいんじゃない?」
そして、次に聞こえたのは銃声。思わず三人共に耳を塞いだ。幸い、誰もどこかに当たってない。誰も 銃なんて持っていない。目を合わせたが、みんな不安と怯えが混じっていた。愛は辺りを見回す。遠く にうっすらとだが、誰かが立っているのが見えた。目を細めて見つめると、だんだんとはっきり姿がわかってきた。
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2013/03/02(土) 05:37:54.27 ID:ZfgmnGXw0
「……え……?」
その人物は銃を握って嬉しそうに笑みを浮かべていた。さっき話題に出てきた人。転校してきたばかり の渡辺がにっこりと愛達に向けている。三人の間に変な緊張が走った。
なぜ、この人が?
とにかく、最初に同じことを三人一緒に思ったのは確かなことだろう。彩香が震えた声で尋ねていた。
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2013/03/02(土) 05:38:35.10 ID:ZfgmnGXw0
小学生を対象としたプログラム。
弟のクラスが、それに選ばれて帰ってこなかった。
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