過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/26(火) 00:47:45.99 ID:9wcEPpZZo
その後、京太郎は4人とかわるがわる打ち続けことごとく叩き潰される時間が続いた。
本日は初日ということで軽めに――とはいえそれなりに打ってはいるのだが――終わったのが京太郎にとっては幸いであった。
今日1日で1か月分は負けたのでは、と思えるほどのすりつぶされっぷりあった。
事務仕事があるというまこを残し4人は校舎を後にした。
「それじゃあまた明日なー!」
「須賀君、咲さん。また明日」
「ばいばーい」
「おう……じゃーなー」
とりとめのない話をしながら歩いていたが分かれ道となり京太郎と咲、優希と和という組み合わせで別れた。
「あー……づがれだ」
「お疲れ様、京ちゃん」
二人だけとなったタイミングで軽く愚痴りながら大きく伸びをする。
げっそりとしている京太郎とその横で朗らかに笑う咲。
時間的には夜とは言えまだまだ暑い。時間を考えずけたたましくなく蝉の音を聞きながら二人は帰途についていた。
二人の間に特に会話はないが付き合いの長さが成せる技か、気まずさは特になかった。
沈みかけた日に伸びる自分の影を見つつ京太郎はふたたび自分の心のしこりに悩まされていた。
(沢山打った)
(そして沢山負けた)
(3位をとれたのが数回あっただけであとは全部ラス)
(何だこれ? 麻雀ってそんなゲームなのか? こんなに運の要素が強いゲームなのに、こんなに勝てないものなのか?)
(俺が弱いだけ……本当にそれだけで済まされる話なのか?)
(牌効率や押し引きを学んで……埋められる距離なのか?)
京太郎は隣を歩く咲に目を向ける。
それと同時に長野大会での最後の場面が京太郎の頭によぎった。
『カン』
(……)
『ツモ』
(あれが)
『清一色、対々、三暗刻、三槓子、赤一、嶺上開花』
(あれが)
『役満です』
(あれが……!)
『麻雀って、楽しいよね』
(あれが技術やなんかで埋まるものなのか!?)
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