過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/26(火) 00:56:06.71 ID:9wcEPpZZo
そんな生活を続けて1か月。決して物覚えのいいほうではなかったが、判断や押し引きは以前よりも優れてきた。
大きな落手を踏むようなことも少なくなってきた。だが、それでも。

「ツモ。ツモメンホンで満ガン。これでぴったりまくりじゃな」

「うわー! 最後の最後でまくられたじぇ!」

「あぅ、私のカン材が使い切られてる……」

「……」

それでも京太郎は1か月の間1度もトップを取ることができなかった。
棚ボタな2位が時たまあったぐらいでほぼ3位4位を占めていた。

「……くそっ」

オーラスの京太郎の手配はこのようになっていた。

『京太郎手牌』
13【5】56889s南西白撥撥 ドラ6s

焼き鳥で迎えたオーラス、着順を上げるには跳満をツモるか満ガンを直撃しなければいかなかった。
そのため染めに走ったがろくに面子ができず終わった。
かといって自分の捨て牌をかき集めても――鳴きが入る可能性があるので不毛な話だが――聴牌すらできていない。
卓の下で思わず拳を固めた。

「残念でしたね。最後の局、私が打ってもそうなってましたから気にしないでください」

今回抜け番だった和が後ろから声をかける。それに対して軽く礼を言いつつも溢れてくる暗い気持ちを押しとどめていた。

(お前だったらこうはならないよ、和。ちゃんとツモが来てくれるさ。それでかっこよく逆転……だな)

「京太郎、大丈夫か? 少し休憩するか?」

暗い表情の京太郎を見てまこが心配そうに声をかける。それに対して半ば意地のように答えた。

「いや、やります。まだいけます」

「無理はするな、大分堪えたじゃろう?」

「大丈夫です、行けます……ほら、和。入れよ」

話は終了とばかりに話題を変える。まこは不承不承といった形で和に席を譲った。

「おーし、まだまだやる気だな京太郎! 頑張るんだじぇ!」

「……おぅ!」

無理やり、といった感じて返事を返す京太郎。そして、サイコロが振られた。



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