過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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986: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/12(金) 02:03:06.59 ID:sCm9yq7Io
すっかり冬本番となった12月。
俺は旧校舎の寒い廊下を部室に向かって一人歩いていた。
窓の外を見ると雪が降っている。
日本で有数の豪雪地帯である長野県にとっては珍しい光景ではないが、やはり雪は忌々しかった。

(これからまた雪かきが大変な時期か。めんどくさいなぁ)

今日は練習日でもないためさっさと帰ろうとしたのだが、部室に忘れ物をしたことに気付いた。
そんなわけで渋々と部室へ向かって歩いている。
天気予報によるとこれから雪はさらに振り続ける一方のようだし、さっさと回収してさっさと帰ろう。
そう思いながら部室の扉に手をかけた。

「あれ?」

そこで気づいた。
鍵は俺が預かっているのに鍵が開いている。
首をかしげながら俺は扉を開いた。

「あれ、竹井先輩?」

「あら、須賀君」

そこに居たのは竹井先輩だった。
部室の隅に置かれたストーブの前で体を小さくしていた。

「どうしたんですか?」

「暇だったからねー。部室でちょっとごろごろしてたら寝ちゃって……気づいたらこんな時間」

受験も推薦で決まり、ほぼ登校義務がなくなった三年生は気楽なものだ。羨ましい。

「須賀君はどうしたの?」

「俺はちょっと忘れ物を。おっ、あったあった」

部室の隅に置きっぱなしになっていた麻雀雑誌を回収する。
とりあえずこれで目的は完了した。


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