857:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/08(金) 18:53:25.05 ID:eXxZahjZ0
プログラム本部となる中学校と、その南にあるアスレチック公園、その中間であるE=04を、2人の少年が歩いていた。
「おい、待てよ!」
後ろを歩く少年が声を上げる。
しかし、前を歩く少年は振り返らない。
「おい、待てって!
わからなくもないけどよ、人の話を聞けっての!!
おい、ケースケ!!」
ぐいっと腕を掴まれ、前を歩く少年――池田圭祐(男子3番)は振り返った。
その表情は、今にも泣き出しそうだったが無理に笑みを作っている、そんな感じだった。
「す…すんません、付き合ってもらったのに… 勝さん…」
圭祐の腕を掴んでいた真田勝(男子9番)は、手を離した。
「いや、気にすんなよ。 そんな他人な仲じゃねーんだし」
勝はその場に圭祐を座らせ、自分もその前に座った。
勝は煙草を咥え、火を点けようとしたが、止めた。
煙草の煙の臭いが嫌いな圭祐を気遣ったのだろう。
「なあ、マジでいいのか?
ずっと…言いたかったんだろ?」
「…だって…あの状況を見た後に、とてもじゃないっスけど言えませんよ…」
圭祐が俯いた。
勝は溜息を吐き、煙草を箱に戻した。
「まあ、わからなくもないけどな…
曽根崎…ね。 あんなチビのどこがいいんだか…」
「凪紗さんはいい子っスよ?
可愛いし、優しいし、強いし…
何より…」
圭祐は目を閉じた。
「こんなオレに普通に声を掛けてくれた、初めての女の子っスから…」
圭祐は曽根崎凪紗(女子10番)に恋心を抱いていた。
そのきっかけは、凪紗たちのグループと勝たちのグループが停戦協定を結んだ事だろう。
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