過去ログ - 安価でシークレットゲーム5
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902:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 07:49:32.09 ID:nQ4y3AGI0
しかし、教壇に立つ男は、“戦闘実験第七十二番”と告げた。
麗が知っているプログラムとは違うものなのだろうか。
例えば戦闘実験だからさすがに戦闘はするだろうが命懸けではないとか――いや、あの男は『殺し合いをしてもらう』と言っていたのでそれはないか。

「あ、そういえば自己紹介してなかったっけなぁ。俺、今日からみんなの担任の先生になったんよ。気軽に、“ライド先生”って呼んでくれてええからな?」

男はライドと名乗り、妖艶という言葉が似合いそうな笑みを浮かべた。
中性的でどこか大東亜人離れした目鼻立ちとそれに似合う肩よりも下まで伸ばされた髪は、こんな状況でなければ女子は見惚れてしまうのではないだろうか。
ややのんびりとした関西弁は、中等部に入るまでは関西の小学校にいたというクラスで唯一関西弁を話す荻野千世(女子三番)にどこか似ていた。

「それから、右からシンちゃん、エッちゃん、アッキー。みんな俺の仲間やねん、まあ立場的には俺の助手みたいな?」

「ライド、紹介の時はあだ名で呼ばんといて、空気台無しやん。俺はエツヤ、あっちがシンでこっちがアキヒロ」

“エッちゃん”と呼ばれたライドの隣にいたエツヤが改めて紹介した。
こちらも整った顔立ちをしているが、髪には羽根を模したようなアクセサリーを付けていたり厚底の靴を履いていたり、何より他の3人が黒を基調とした服装だというのに1人だけ赤を基調とした派手な服を着ているので最も目立っている。
ライドにツッコミを入れたあたり、根は真面目なのかもしれない。

その隣にいるシンと紹介された男は4人の中では最も背が高い(とは言っても、目算で瑠衣斗と同じくらいなのではないだろうか。身長170cmの瑠衣斗はこのクラス内では平均的な身長なので、シンも周りが低いから高く見えるだけのようだ)。
猫のような口許と目は幼さを感じさせるが、薄く髭を生やしているので他の面々と同年代だろうということは見て取れる。
咥え煙草をしているのだが、今は火を点けていない。

麗から見て真ん前に立つアキヒロと呼ばれた男はライド程ではないが小柄で線も細く、一見掴み掛かれば勝てるのではないかと思わせる。
しかし、眉ひとつ動かさずに吊り上がり気味の目で教室を見回すその様子から、他の3人同様に只者ではないというオーラを感じる。

「すみません、“担任”というのはどういう意味ですか?私たちの担任は塚村先生のはずですが」

麗の2つ右隣の席の如月梨杏(女子四番)が手を挙げつつ質問をした。
銀縁の眼鏡と赤いカチューシャで飾っただけの漆黒のストレートヘアにきっちりと着こなされた制服からその几帳面さが見て取れる梨杏は、非常に成績優秀であるがそれ故に周りの人間を見下した態度を取っており、梨杏に一歩届かない麗もその対象であるために梨杏のことはあまり好きではない。
もっとも、このような状況で普段の授業中に教師に質問するのと変わらない様子で発言をする度胸は、感服せざるを得ない。


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