961:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 11:43:36.48 ID:nQ4y3AGI0
ドカッ!!
振り下ろされたハンマーを雅史はギリギリのところで後ろに引いてかわした。
雅史に当たらなかったハンマーは勢いが止まらず、そのまま地面を叩いていた。相当の威力があったのかハンマーを思いっきり叩き付けられた地面の土はえぐれて穴があいていた。
「奥村ぁ!!」
ハンマーを雅史に向かって叩きつけようとした本人、奥村秀夫(男子3番)はもう一度ハンマーを振り上げて雅史に襲い掛かろうとしているところだった。
「なんでこんなゲームに乗ったんだ!!」
「うるさい!! 俺はまだ死にたくないんだ!!」
秀夫はハンマーを今度は地面と水平に横から振ってきた。
雅史はそれをまたしてもギリギリのところでかがんでかわした。
ハンマーは秀夫にとっては相当重いものだったのだろう。再び雅史にハンマーをよけられて秀夫はハンマーを振った方向によろけていた。
雅史はこの隙に秀夫に飛びかかった。攻撃する為ではない。秀夫が持っているハンマーを奪い取る為であった。しかし今度は秀夫が蹴り上げた右足が、正確に雅史の腹部を直撃していた。腹部に激痛が走る。
「なんでだ!! みんなで集まって、一緒に脱出する方法を考えたらいいじゃないか!!」
「そんなこと無理に決まってるだろ!! とにかく俺は生き残って家に帰るんだ!!」
「最初から諦めるな!! 方法はきっとある!!」
「うるせぇ!! 俺に構うなぁ!!」
いつもそれなりに温厚であった秀夫が、今では獣のような形相をしていた。
ダメだ。秀夫は我を忘れている。
説得は無意味だろう。
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