過去ログ - 【咲】京太郎「ありふれた不思議」【宮守】
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3: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2013/02/28(木) 21:03:35.93 ID:GM14yOvt0
そんな、考え事というよりは独り言を脳内に浮かべながら、ほうっとステージ上を見つめる。

校長先生がなにやら熱心に話しているが見える。

見えるけれど、聞き流す……聞き流してしまう。

興味ないんだもの。

きっと、いい言葉、いい話が送られているのだろうけど。

それ以上に脳が離したがっているのだもの。

ならばいったい何を考えているかといえば、こんな感じの未来図だったり。

もしも、あのまま転校せずに進学していたら――というifだったり。

いきたかった、あのまま、清澄へ。

仲のいい友人みんなと離れて……日曜に遊びに行く、なんてこともできないくらい離れて。

一人ぼっち。

周りの人間は誰か友達がいるのだろうか。

それとも、俺と似たような境遇もいるのだろうか。

不毛な考えは尽きない。

どう考えても先生の話のほうが大切だというのに。

俺の考えは尽きない。

二度と叶うことのない妄想だというのに。

『――以上で入学式を終わります』

ああ、無意味なことを考えているうちに終わってしまった。

始業式なんてそんなもんかもしれないけれど。

転校生や留学生なんかの挨拶もきっと始業式で終わらせてしまっただろうから、本当にやることがない。

結局妄想だけで入学式を終えてしまった。

なんともいえない虚無感を押さえ込んで、ため息をついた。



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