過去ログ - 上条「ただいまー」フィアンマ「おかえり!」
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10: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/03/01(金) 22:54:35.49 ID:mBThJV0c0

「腹減ってるか?」
「すいてない」
「そっか」

適当にくつろいでくれ、と言ったのだが。
どうやらくつろげないようだ。
不安なのか緊張しているのか、きょろきょろとしている。
本当に、俺の知っている右方のフィアンマとは、正反対だと感じた。

「……かみじょう」
「ん? 何?」
「あれ、何」

す、と指さされた先。
そこには、開きっぱなしの参考書。
数学の参考書だった。

「数学の参考書だよ」
「すうがく? お勉強?」
「そうそう」

フィアンマは興味を示し、参考書に近寄った。
じー、と見つめ、難しい数式の羅列に眉を寄せる。
今の彼は、言語しか好き勝手に扱えない。
魔術は初歩的なものも扱えないし、一般的な勉強も出来ないらしい。

「……むずかしかった」
「…だろうな」

四歳程度、とあの魔術師は語っていた。
本当かどうかは怪しいが、幼い事は間違いないだろう。
見目に不釣り合いな、幼く不安げな表情を浮かべている。
そっと、右手を伸ばしてみる。
魔術の類が仕掛けられているのなら、反応するはずだ。
頭に触れる直前、俺の手を見たフィアンマが、肩を大げさなまでに上下させる。



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