過去ログ - 異形使い「あなたを追って、ここまで来た!」
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2013/03/02(土) 21:53:10.17 ID:rp+/xe4bo
風の音を貫いて警笛が鳴り響いた。
急いで馬車を飛び出すと乾いた空気に目がひりつく。ティナは一度だけ瞼をこすり、それから駆け出した。
荒野の風が潤うことなど稀だ。雨が降らないわけではないがこの大地は水はけが良過ぎる。
降り注いだ雨水はすぐに石や砂の間に吸い込まれ、消えてなくなるかのごとく地中深くへと姿をくらます。
水分を保持する土壌や植物は植物域にしか存在しないため、それ以外の土地では空気はこうして乾燥し弱い身体を傷つけた。
荒野で生きていける生物もまた多くない。
極めて頑丈かしぶといか、とにかく人間の想像力で測れる程度では生き残れない。
そして当然ながら想像の主体である人間はそこには含まれていない。荒野に出る時、彼女はそれを強く意識する。
だが人はそれゆえに知恵を身につけ工夫をし、生き延びてきたとも言える。
使える土地が少ないのならば衣食住をそれに適応させ、文化もそれに応じて変化した。
ただ。ティナは走りながら自分の衣服をちらりと見下ろす。
異形部隊の証であるこの黒装束は、そういった方向の英知とはかけ離れたものであるのは間違いない。
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