過去ログ - 異形使い「あなたを追って、ここまで来た!」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagasage]
2013/03/02(土) 21:53:58.41 ID:rp+/xe4bo

 頭部をすっぽりと包むフードが暑苦しい。
 口元を覆う黒布は走るための呼吸を邪魔している。
 両方ともむしり取ってしまいたかったがそれはできない。顔を隠すことは重要だった。

 警笛が再び鳴り響いた。しかしそれは途中で途切れる。
 植物域をつなぐ補給馬車の最後尾、七台目からだ。

 彼女が乗っていた馬車は四台目なので二台分の距離があった。
 警護のためになるべく馬車の間隔は空けないよう指示しておいたのだが、それでも離れてしまうものらしい。
 七台目は大分離れて隆起している大岩の陰に見えなくなっていた。
 声はその向こうから聞こえる。興奮した馬の嘶きもだ。

 荒野は人が生きるのには適していない。
 しかし生きるために皮肉にも荒野に出ざるを得ない者もいる。
 訳あって植物域を追いだされ、賊に身を落とした者などはその最たる例だ。

 ティナは走りながらダガーを一本抜いた。
 岩を素早く回り込み、最初に目に入った人影に向けてそれを放った。



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