18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:17:40.54 ID:y8XKonFyo
血だまりの中でひくひくとうごめきながら縮んでいく、その体。
裸の人間へと変じていくその様子をにらみつけながら、響が呟く。
「なんで、こいつ……」
「最近、人以外に向けた薬が流行ってるらしくてね。人間の麻薬でも痛みを感じさせないのがあるだろ? あれよりさらにひどいらしいよ」
「死んだことも忘れるくらい、か」
「そ。困ったものだよね。ボクたち765プロはそれをなんとか根絶したいもんだから、トラブルになってるわけ。ま、それだけでもないけど……」
小さく肩をすくめ、それで痛みが走ったか、思い出したように真は顔をしかめる。
「しかし、困ったな。結構やられちゃった」
「ごめん。自分がもっと気をつけてれば」
「いいよいいよ。ボクも気を抜いてたし」
素直に頭を下げる響に、真はぱたぱたと手を振って見せる。
そこで、彼女はなにか思いついたかのように響を見つめた。
「それより、響。一つ頼みがあるんだけど」
「うん。なんだ? 事務所までひとっ走りして、新しい服を取ってこようか?」
いや、それはいいよ、と真は言った。
「それより、ボクを殺してくれない?」
「……は?」
「たとえば、心臓を一突きとかで。さっきみたいに」
声も出ない響をよそに、真は説明を続ける。
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