32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:33:19.39 ID:y8XKonFyo
「……なに?」
響がそう応じる頃には、貴音の『翼』は消えていた。
しかし、彼女は響の足に膝を乗せ、その腕をひねりあげて、動きを封じ続けている。
「我々はあえて序列はつけてはいません。つけてはいませんが……」
体を折り曲げ、響の耳元にその口を近づける貴音。
暖かな吐息が、響のうなじをくすぐった。
「仮に序列を設けるなら、わたくしはようやく五指に入るかというところなのですよ、響」
「ははっ」
その言葉の意味を理解した時、響は疲れたような笑い声をあげていた。
「自分の鼻までごまかせるのが二人もいるんだ。そりゃ……参った」
貴音の締め付けに抗する力が抜け、べったりとコンクリートの地面にほおをつける響。
その顔には、なにか吹っ切れたような表情が宿っていた。
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