過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

↓ 1- 覧 板 20

814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/08(金) 10:27:19.55 ID:eXxZahjZ0
「姫ちゃん、友だちが来てるよー！」

廊下側から呼ばれ、彼女は振り返った。
そして教室を出て行き、他のクラスの友だちと話をしていた。

「“姫”…？」

あだ名か…？
随分と大仰な…
似合っている気はするけども…

「夕姫がどうかしたかぁ？」

肩を叩かれ、龍慶はばっと振り返った。
新が不思議そうな顔をして、廊下の方に目を遣っていた。

「いや、あの…
　というか新、さっきのあれは何だ、恥ずかしかっただろっ！！」

「いーじゃん、龍慶があまりに無愛想だから、盛り上げたんだよ、な！」

「うーん…でも僕も恥ずかしかったな」

「あ、未来テメェ俺を裏切るのかっ！！」

「わぁ、ごめんごめん、ごめんね、シンちゃん許してっ！」

新と未来がじゃれ合っている様子に苦笑し、再び視線を廊下に戻した。
そういえば、新は親しげにファーストネームを呼んでいた。
仲が良いのだろうか。

「一目惚れ、ですか？」

新と未来がじゃれ合っている反対側から、田村光貴（男子十二番）が顔を出した。
口調は質問をしているが、質問というより確認のようだ。
龍慶が答えないのを肯定と取ったのか、光貴は苦笑した。

「夕姫さんは競争率高いと思いますよ。
　なんせ、あのルックスでしょう？
　学年１の美少女だとか、誰が取ったかわからないランキング結果らしきものが存在
　するんですよ。
　更に、頭は良いし、運動はできるし、話しやすい良い子だし…
　欠点らしい欠点が見当たらないような女の子ですから」

光貴とは付き合いは短いが、美辞麗句を並べ立てるような人間ではないことはわかっている。
その光貴が素直に褒めているということは、本当にそうなのだろう。

「何、面白い話になってる？」と新と未来が話に入ってきた。
光貴から話を聞くと、未来は顎に人差し指を当て、うーんと唸った。

「噂だと、姫ちゃん、月１ペースで告白されてるらしいよ。
　全部断ってるみたいだけど…」

未来も、彼女のことを“姫”と呼んだ。
龍慶は未来の顔を見上げた。

「“姫”…ってあだ名なのか？
　凄いな、なんか…」

「うん、姫ちゃん。
　夕方の“夕”に、お姫様の“姫”って書いて“夕姫”って読むから」

なるほど、そういうことか。
改めて字を充ててみると、男らしい響きの名前も、優雅に変わる。
似合っている名前だと思った。

それが、始まりの日のことだった。

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

1002Res/665.75 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ