過去ログ - 国王「魔物倒すためにソ連軍呼ぶわ」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/06(水) 21:38:10.11 ID:Hz1q8MCJo
"向こう側"の王国
この世界、少なくともこの王国・・・には一つの伝説があった
この世界における有力な神様は女神であり、その外見は長く伸びた金髪に透き通った肌、そして青い目をしているというものだ
この女神は戦闘や政治など色々なものを統括できるほど多才な女神だが、今までその姿を見た事がある者はいなかった
『やっほー!』
国内に残っていた魔術師達を集めて儀式を行っていたときに出現した"彼女"は、言い伝え通の姿をしていた
背中に生やした1対の羽を優雅に羽ばたかせながら、どことなく冷ややかな青い目で周りを見渡す。
『キミたちの国が危機に瀕してるって聞いてやって来たよ!安心して、ボクは君たちを見捨てないから!』
人を食ったような底抜けに明るい声で、呆然として固まっている魔術師達に向かってそう言った。
「女神様、お目にかかれて光栄でございます」
今まで数えるほどしか頭を下げたことのない国王が深々と頭を垂れていた
それだけではない。その場にいた貴族、神官、魔術師・・・絶対に動揺する事のないように訓練を積んでいる筈の護衛兵までも。
『ボクも嬉しいよ!』
「我が国が危機に瀕したとき女神が現れる・・・伝説は本当だったのですな」
『その通り!その女神がボクってわけ!』
満面の笑みで得意げに言い放つ。
その笑みがあまり好ましくない感情を含んでいる事に、何人かの大臣は気づいていた。
しかしそれを言い出す勇気など何処にもない。ただただ頭を垂れるのみ!
『それでね、キミたちの国を救いたいのは山々なんだけどねぇ。ボクは直接手出しできないんだ』
わざとらしく残念そうな顔を作る。
『でも安心して!変わりに救世主たちを呼んだから!えーとね、そこのキミ、そうそう、一番前のハゲの神官さん』
女神に声を掛けられるという大いなる名誉を授かった神官は侮辱された事も忘れ、感涙に咽び泣きながら頷く。
『キミが持っている本の102ページを開いて!』
ハゲ頭の神官が持っていたのはこの王国に伝わる伝承を纏めた物である。
印刷技術もないためにすべて手書きで書き写したものだ。羨みの視線を浴びながら神官はページを開き、そして女神に恭しく差し出した
『ほら、この部分にあるでしょ?"赤い星をまといし者、金槌と鎌の紋章をつける者"これがボクの呼んだ救世主さん達!』
女神がその白く細長い指でなぞりあげた紙面には、確かにそう書いてあった。
「それで、そのお方たちは今何処に?」
国王がおずおずと声を上げる
『えっとねー、マ・・・マ・・・なんだっけ、ほらあの公国』
「マインホフ公国でしょうか?」
『そうそう、それ!その何処かに居るはずだよー』
『早く見つけてあげれば喜ぶかもねー、じゃーね!ナロードニキ・・・あ、そうか女性も居るんだよね・・・ナロードナヤの諸君!』
それだけ言い残して女神はさっさと消えうせてしまった。
その後の王国の動きは早かった。国中に早馬が飛び、見つけた者には報酬を出すとの布告までされた
兵士や市民達にもその話は広がり、救世主がどんな人間たちなのかが人々のもっぱらの噂となった。
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