849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:42:14.98 ID:wSnSqwBi0
G=06エリアは住宅地の端にあたる。
曽根崎凪紗(女子10番)と設楽海斗(男子10番)はその中を1軒1軒覗きながら進んでいた。
凪紗の持つ探知機に、反応があった。
同じような場所に2つ、少し離れた場所に1つ。
「むぅ…全部反応はこの辺だよねぇ?」
「ああ。 でも後はもう覗いていくしかないな」
2人の目的は仲間を探す事でもあるが、もう1つ、救急道具を探す事でもあった。
真田勝(男子9番)に襲われた時に傷つけられた海斗の肩からは、まだ少しだが血が出ていた。
ちゃんとした道具を探して手当てをしようとしたが、民家はほぼ全て鍵がかかっていて入れなかったし、入れても道具を見つけることが出来なかった。
「あ、ここは鍵が開いてる…」
凪紗がドアを開けた。
キィッと音がした。
「…油断するなよ」
「わかってる、入るよ?」
2人はそっと中に入り、ドアを閉めた。
念のため、鍵をかけた。
土足のまま廊下に上がった(だって埃っぽいし?)。
見つけたドアをそっと開けていく。
物置・トイレ・洗面所――建てられてから結構経っているのだろう、あちこちが薄汚れていた。
「んー…ないなぁ…」
物置を漁りながら凪紗が呟いた。
ここの住人が帰ってきたら驚くだろう、凪紗は物置に置かれた物をほとんど廊下に投げ捨てているのだから。
「…もう少し大事に扱えよ…」
海斗が溜息を吐きながらそれを廊下の隅に整頓して並べていた。
「だって海斗の怪我、早く手当てしたいもん!」
「いや、それはありがたいんだけどな、音は立てない方が…」
「…あっ」
凪紗の動きが止まった。
すっかり忘れていた。
この家には誰かがいるかもしれないのだ。
凪紗は物置を漁るのを止めた。
救急箱はなさそうだった。
一体どこにあるんだろう?
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