過去ログ - 安価でシークレットゲーム6
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976:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/06(火) 16:14:43.00 ID:D/J1TKXp0
大和が反射的にベレッタを掴んだ。
喬子は信じられないといった目で、紗和子を見つめている。
その瞳が潤んでいた。

「どうして……どうして…そんな…」

喬子の声が震えていた。
紗和子は喬子を睨む。

「どうして、じゃないわっ!!
 わたしはただ、玖珂さんのことを思っただけ!!
 玖珂さんが不良の人たちと仲良くするから!!
 わたしは心配だったのよ、いつ裏切られてしまうのか!!
 玖珂さんの傷つく姿なんて、見たくなかったのっ!!」

今までに出したことのない大声で、紗和子は泣き喚いた。
自分自身、こんなに声が出るなんて思わなかった。
紗和子は大和に目を向けた。

「玖珂さんを側に置いて、何を考えてるのっ!?
 まさか、盾にでもしようとしたんじゃないわよねっ!?
 そんなの、絶対にさせない、許さないっ!!
 そんなことする前に、わたしがアンタを――」

「バカァッ!!」

紗和子の叫びを遮ったのは、喬子の声だった。
喬子が駆け寄って来た。
涙に濡れたその目で紗和子を睨み、右手を高く掲げた。
それは勢いよく振り下ろされ、紗和子の頬を打った。
勢いで紗和子はよたつき、それを側にいた音哉が支える。

「くが…さん…」

「どうして、どうしてそんな風に言うのぉっ!?
 そんな風に大和くんを悪く言わないで、何も…何も知らないくせに!!
 あたしは大和くんに救われた!!
 大和くんが、あたしの世界を変えてくれた!!
 大和くんを殺させなんかしないっ!!」

紗和子は頭に、大きな鉄球が直撃するような衝撃を感じた。
自分が大切に思っていた人に怒鳴られた。
自分の考えを否定された。

…だけど、わかっていた。
心のどこかでは。
大和が喬子のことを利用しているわけではない、ということは。
だから、余計に憎かった、あの男が。

「…玖珂さんは…わたしの友達だもん…っ!!」

喬子が目を見開いた。
その奥で、大和も驚いた様子でこちらを見つめている。

「わたしの1番大好きな、大切な友達なのっ!!
 わたしの方が先に友達になったのっ!!
 なのに、なのに、後から出てきたアンタが…アンタたちが…っ!!

 わたしの友達を取らないでぇっ!!」

最早子供の屁理屈だ。
だけど、悔しかった。
大切な友達が自分から離れていくことが。
自分とは別のところで、笑っていることが。


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