過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/16(土) 10:50:12.64 ID:bwJZNukvo

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「プロデューサーさん! お菓子ですよ、お菓子! どうぞー!」

「ありがとう、春香。約束を守ってくれたんだな」

「約束?」

「作るって言ってくれたじゃないか」

「あれは約束の内に入りませんよぉ」


約束なんて大きなことじゃないのに、それでも彼は嬉しそうにしてくれた。

クッキーバスケットから一つ摘んで、出来を確かめた。


「色合いもいいな……市販で売ってるのと同じくらい上出来なんじゃないか」

「それは、食べてみてから言ってください」

「では、……もぐもぐ」

「ど、どうですか?」

「ん! 美味しい!」


子どものように表情を明るくして。

それがとっても嬉しくて。


「どんどん食べちゃってください!」


その表情をもっとみたくて、仕事中の彼に食べるのを進めた。


「ありがとう、春香」


押し付けがましい行為なのに、素直に受け取ってくれて。

その時の私は、あまり気配りができなくて。


「プロデューサー、のんびりしてられないですよ」

「もぐもぐ……そうだな。そろそろ行こうか、律子」


棘々した雰囲気が怖くて、あまり会話をしたことがなかった秋月律子さん。


「す、すいません。忙しいときに……」

「気にしないでいいよ、春香。……あと三つ、貰っていいか?」

「は、はい。どうぞどうぞ」

「プロデューサー」


強めに呼ぶことで、急かしているのは誰が聞いても分かった。

彼は私の作ったクッキーをティッシュで包んでポケットにしまった。




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