過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 21:47:01.60 ID:H1WPBXuto



――

―――


「あれ、プロデューサーさんは?」

「んー……? にぃちゃんはあっち」


座敷の上で横になり、眠たそうにしている真美が出入り口を指差した。


焼き鳥の匂いが漂う小鳥さんたちのお馴染みといわれる居酒屋。



「春香ちゃん、プロリューサーさんを呼んできてっ」

「わ、わかりました」


頬がほんのりと赤く、少し呂律の回らない小鳥さんに従い外に出る。


扉を開けると少し離れたところで彼が電話を片手に話をしていた。


「……分かってるよ。……うん。今日もお疲れ様、また明日な」

「……」

「……おやすみ、千早」

「まるで恋人ですかっ」

「……ん? 今のツッコミはなんだ春香」

「なんだか、お互いを気遣うような雰囲気でしたよ」

「あまり飲みすぎないでください、ってさ」

「……そうですか」


やっぱり、いつもと違っていた。


pipipipipi

彼の携帯電話が鳴り、ディスプレイに表示された名前を読み上げる。


「……今度は響か」


少し嬉しそうに。


「……今日もお疲れさま」

「……」

「……うん。……分かった、明日聞かせてくれ」


嬉しい報告があったのだろうとは思う。
だけど、彼の寂しそうな瞳が何を捉えているのかは分からなかった。

憂う表情が私の心を変に動かしてしまう。



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