過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 21:53:16.78 ID:H1WPBXuto



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―――


「すぅ……すぅ……」

「よく眠ってますね」

「……あの騒がしさでよく寝られたよな」


呆れ声の彼の背中で、真美は幸せそうに眠っていた。

小鳥さんたちを居酒屋に残して、駅に向かって私たちは歩いていた。


「悪いな、春香。俺も飲んでしまったから、車で送ることができなくて……」

「気にしないでください。私が勝手に付いていっただけなんですから」

「……気をつけて帰るんだぞ」

「はい。大丈夫ですっ」


気遣ってくれる彼を安心させる為に明るく応えた。


「……春…か」

「……なんですか?」

「あ……いや……春香のことを呼んだわけじゃなくて」

「?」


そのときの私はあの言葉の意味が分からなかった。

今の私には分かる。


医者に宣告された、限られた時間が春までだということ。

無理をして、時間を削ってしまっていたのを誰に責めればいいのだろう。




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