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347: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2013/07/29(月) 03:40:16.87 ID:kah3E/LVo


 ◇


 《現段階での最大跳躍は二回です》


岡部『……』

 現在の貯蓄されているエネルギー量では二回の跳躍が限度だった。
 戦闘を行いながらの跳躍には多大なるエネルギーが必要となる。

 楯無との一撃必殺を予期される戦いの最中であればなおさらと言えた。

岡部『(一回が限度……いや、跳べるかどうか……)』

 “石鍵”から提示された回数は二回。
 けれど、それは他のガジェットにエネルギーを流用していない場合である。

 楯無相手に“刻司ル十二ノ盟約”を使わずに勝てる自信などない。
 となれば跳べる回数は一回が限度。

 戦闘の運び方次第では跳べるかどうかも定かではなかった。

岡部『(集中しろ、集中だ……)』

 背水の覚悟で挑む。
 一度のミスが敗北を招く相手に対し、集中力の欠如は許されない。

楯無『……くっ』

 楯無から声が漏れる。
 近接戦闘では僅かだが岡部が押していた。

岡部『(このまま押し切らせては……貰えないだろうな)』

 ギンッ。
 と小気味良い刃鳴りを響かせ、両者が間合いを取った。

岡部『(小手調べは終了、と言う訳か)』


 ──ドロリ。


 それまで楯無を象っていたモノが溶け出した。
 まるで、氷が水になるように。

楯無『驚いたわ、倫ちゃん。それほどまでに上達していたなんて……』

 対面に居る楯無からの声ではない。
 アリーナ中から声が響いていた。

楯無『第一ラウンドは倫ちゃんの勝ち。ここからは──』

岡部『──第二ラウンド、か』

楯無『せいかーい♪』

 気付けば周囲に無数の気配が立ち並んでいる。
 岡部を取り囲むようにぐるり一周。

 複数人の楯無がアリーナに存在している。

岡部『……囲まれたか』

 “刻司ル十二ノ盟約”は確かに起動している。
 にも関わらず、囲まれたことに今になって気付く。

 つまり、岡部を取り囲む楯無たちはたった今、精製されたモノだと言うことだろう。

楯無『おねーさんを甘くみてると、火傷しちゃうわよ?』

 複製された楯無たちは同時にニコリと笑う。
 突き出されるランスを模した専用装備“蒼流旋”。

 搭載されている四問のガトリングガン。
 合計、数十門の火口が岡部に向けその熱を解き放った。
 


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