過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[saga]
2014/02/10(月) 01:27:18.47 ID:ntyCRVgTo
惠「智……」
惠は僕の言葉を認識し、一度頷く。
そして佐知子さんを促して語り始める。
才野原という存在に課せられたその血脈、その運命を。
彼らの血筋は、代々心臓の疾患により短命だということ。
早ければ十代には発症し、遅くても三十代にはその生命を落とすということ。
そして。
惠は既に、命を落としているということも。
惠の才能は――――『命の上乗せ』。
それも無条件に寿命を引き伸ばすわけではない。
自分が一度死んでから、自らの手で奪った命をそこに重ねて生き返る能力。
疑問を抱き、混乱に塗れ、希望を捨てず。
そして辿り着いた真実。
それが、この底の見えない絶望の淵だった。
智「そんなのって、ない……」
ようやく、絞り出した言葉がそれだった。
興味本位じゃない? 真実を確かめたい? それを共に背負いたい?
仲間だから?
そんな安っぽい言葉を吐いた僕が、とても小さく見える。
惠は、何度も死んだ。
何度も、何度も、何度も、何度も。
つい最近のあの瞬間にだって、命を落とした。
そして、また生き返る。 手ずから摘み取った命を使って。
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