過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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397:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/10(月) 01:52:28.73 ID:ntyCRVgTo
 そこに、どれだけの業があっただろう。
 そこに、どれだけの葛藤があっただろう。
 自分の生の為に他人の生を奪い取る。 それがどれだけ罪深いことか、きっと惠自身知っているはずだから。

 だから、と。
 佐知子さんは続けた。

 誰かの生を奪う。 それは罪深く、繰り返す度にきっと耐えられない苦痛となる。
 だから、惠は思いついたのだと。
 誘うなら、罪深き生を。
 奪うなら、より軽い命を。
 使うなら、不必要なものを。
 罪のない人々を何の遠慮もなく踏みにじる『悪』を。

 しかし、それでも。
 それは、『罪』なのだ。
 人知れず『悪』を裁く『正義』であるとしても、それはやはり『罪』であり『悪事』なのだ。
 だから、惠は言った。 『真実は突き止められる。 悪事は白日の下に晒される』、『僕のやっていたことが露見してしまうのは当然のことだったのだろう』。
 どれだけ奪う命を選んだとしても。 どれだけ言い訳を重ねたとしても。
 惠はそれを知っていて、そして生き返る度に葛藤を重ねたに違いない。

 『あと何回この苦しみを味わえば』。
 『あと何回人の尊厳を踏みにじれば』。

 『あと何回』。
 『あと何回』。
 『あと何回』――――



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