過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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583:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/26(水) 23:43:51.22 ID:jxYFzZtBo
宮和「……なるほど。 つまり、本日もその御方がいらっしゃれば」

智「うん、噂の幽霊っていう確率は高いんじゃないかな」

 道すがら話すのは昨日のこと。
 あの女の子が僕の見間違いでないのはるいと茜子が証明している。
 第三者が観測するなら、それはもう彼女の存在は確実なものになるだろう。

智「でも、気分悪くなったらすぐに言ってね? なんていうか……重い場所だから」

宮和「存じています。 五年前の出来事は、色々なメディアでも取り沙汰されていましたから」

 なるほど、その上でならきっと心配しなくてもいいかもしれない。
 きっと僕らと同じで、探究心が勝ったのだろうから。
 それでも僕や花鶏ですらお世辞にも気分は優れなかったのだから、様子を見る必要はあるだろうけれど。

 学校帰り直で来たからか、昨日より大分早くついた。
 少しばかり興味深そうに残骸を見渡す宮和の手を引いて向かうのは、昨日女の子を見た場所。

智「確か、この辺だったと思うんだけど……」

 瓦礫の山。
 ベランダの手すりのようなものや、一階二階部分はその外見をなんとか保っているため、マンションだと推測するのは容易だった。
 五年経っても尚癒えていない爪痕に、僕の気分は少しばかり落ち込む。

宮和「和久津さま」

智「ん、なに宮」

宮和「これは……」

 見ると、同じ場所に積み上げられた花。
 花屋で売っているような上等のものではなく、しかし確かにここに捧げた者の気持ちを感じることの出来るもの。
 結構な高さまで積まれていて、一番上のものは萎んでいるとはいえ結構真新しいものだった。

智「これって、ひょっとして――――」

 僕が、そうだと口に出そうとした瞬間。

「何を、しているの?」

 後ろから、不意に声をかけられた。


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