過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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789:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 03:09:44.83 ID:nqwZCJBqo
 緊張が走る。
 今の僕は、抗う術はない。
 手足が開放されている分まだ抵抗はできるけれど、今入ってくる相手が首輪の鍵を持っていなかったらどうしようもなくなる。
 つまり僕は、相手が何をしてこようと反撃できないというわけだ。

 冷や汗が流れる。
 心臓が激しく脈をうち、扉から目を逸らすことすらできない。
 そうして、ゆっくりと回りきったドアノブをは押し開かれ、招かれざる客の姿を現す――――。

「――ごきげんよう、和久津さま」

智「――――あ」

 その姿を確認すると同時、見知った姿の彼女は両手を前で重ねて、小さくお辞儀をした。
 見間違えるはずもない。
 なにせ彼女は、かけがえの無い友人の一人なのだから。

智「宮……?」

宮和「はい、和久津さまの宮でございます」

 ゆるりとした微笑みを湛え、宮和はその瞳をこちらへと向ける。
 反射的に立ち上がっていた身体から力が抜けて、ベッドへ腰掛ける。
 気が抜けた。

智「ああ、びっくりした……」

宮和「和久津さまでも、驚かれることはあるのでございますね」

智「そりゃあ、勿論。 僕の人生驚きっぱなしだよ」

宮和「ふふ、そうですね」

 ――昨日も、夢に驚いて跳ね起きていましたしね。
 笑顔でそう告げる宮和に、僕の思考が停止した。


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