過去ログ - 凛「おかえり。アーチャー」  アゲハ「ああ、ただいま。マスター」
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99: ◆jXxX9w2lpg[saga]
2013/03/24(日) 17:15:44.93 ID:rFZpLyiDo

アゲハ『くっそ……』

頭強く打ち朦朧とする意識の中でアゲハは自分の不甲斐なさに怒りがこみ上げる。
視線の先ではセイバーが必死に交戦している。
バーサーカーの一撃に歯を食いしばって堪え、その体に傷一つ与えられないのに攻めることをやめない。

それに引き換え今の自分は何なんだ。
この様は。
この状況は。

まるで相手になっていない。
ランサーと戦いセイバーと戦い、自信はあった。
歴戦の英雄と呼ばれる存在にも自分の力は通用すると。
しかし、最強のサーヴァントの前にはなす術もなく倒されている。

右腕は衝撃で折れているかもしれない。
バーサーカーの拳を喰らい内臓までダメージが及んだのか血がこみ上げてくる。
頭はぼんやりとして上手く働いていないのが分かる。

ぐふっとその場にどす黒い何かを吐き出す。

――黒い血の塊

この世界に来る前にも似た経験をしていた。

ビデオの前で、ただ殺されるだけの子供たちを眺めていた。
何もない荒野で抵抗することも出来ずに、目の前で何人もの仲間を失った。
戦えると思っていた相手には、一太刀も入れることが出来す、仲間をさらわれた。
救えると思った人たちを最後の最後で手放してしまった。


嘆くのは、もう疲れたんだ。


暗い空に、零れ落ちる命に、途絶えた未来に。


届かずに泣くのには、もう、疲れたんだ。


だから、そう。
もう間違えちゃいけない。
失敗しちゃいけない。
そのための力を欲した。
有無を言わさない、強い力を。

あの時の失敗もその後の失敗も、全部全部オレの力がなかったからだ。
今は違う。今なら失わないで済む。今なら全てを救える。

――思い出せ。オレが何を望んでこの世界に来たのか。
何を求めているのかを。



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