102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 00:44:48.90 ID:7LnCOhGJ0
「美希ー、ゲーセン行かないのー?」
帰りのホームルームが終わっても、美希は自分の席から動こうとしなかった。
友人が呼びかけても、彼女は片肘を机につき、窓の外をボーッと眺めたままである。
「ねー、美希ってばー」
「いいよ、先に行ってよう」
「美希ー、来るなら後でメールしてねー」
ついに諦めた友人達が、美希に手を振りながら教室から出て行く。
美希はそのままの姿勢で、まるで独り言のように返事をしただけだった。
プリクラなんてもうとっくに飽きた。
UFOキャッチャーだって、取りたいと思うものなんて無い。
他のゲームは、うるさいから、ヤ。
ゲーセンには、美希をワクワクさせるものが何一つ無かった。
せめてカラオケなら―――いや、それももういい。
友人が一度『Relations』を歌った時に険悪な雰囲気にしてしまって以降、カラオケにも興味が無くなったことを思い出した。
あまりにも退屈なのに、自分が何をしたいのかが分からない。
―――先生に会いに行こう。
誰もいなくなった教室で、美希はようやく席を立った。
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