11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:02:49.56 ID:sFFUNv8Z0
「先生に会いに行ってたの」
星井美希は、昨日事務所に来なかった理由を律子が聞くと、そう答えた。
学校の先生かしら。
「ううん、違うよ。カモ先生なの」
カモ先生? 加茂、賀茂――?
いずれにせよ、彼女にはお世話になっている先生がいるらしい。
律子は、深く追求するのは止めておいた。
「まぁ、用事で来れなくなったら電話なりで連絡をくれると嬉しいわね。
こちらが招いた手前、強くは言えないけれど」
「うん、分かったの。ごめんね」
今度からは気をつけるように、と律子は念を押した。
言葉遣いも、今後直していく必要がありそうだ。
プロデューサーはこの日、あずさとやよいを連れて営業に出ていた。
だから、美希の面接は律子が担当した。
なぜ私が―――。
プロデューサーがスカウトしたのなら、彼が責任を持つべきだとも思ったが、律子自身も彼女に会いたいと思う気持ちはあった。
おあいこという事にしておこう、と無理矢理自分を納得させ、律子は質問を続けた。
「何か音楽に関する経験は? 例えば、ピアノを習っていたとか」
「カラオケは皆とたまに良く行くよ?」
「運動は得意かしら? この業界、ダンス以外にも割と体力勝負な側面もあるのだけれど」
「えー、疲れるのはヤなの」
「ずばり聞くけど、やる気はある?」
「良く分かんない」
質疑を繰り返しても、なかなか前向きな答えが返ってこない。
律子はめまいがしてきた。
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