過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:18:24.70 ID:7LnCOhGJ0
 律子からのアドバイスもあり、目本テレビには時間に余裕を持って到着した。
 大規模なオーディションだと、入場口も分からないほど会場となる建物が巨大だとのことである。
 しかし、下調べを入念に行っていたこともあってか、会場には迷わずアッサリと着いた。

「フヅテレビの話を聞いてたから、ビビって先方の担当者に何度も確認しちゃったけど、来てみればなんてことは無かったな」
 会場内でオーディションの参加手続きを済ませたプロデューサーが、入口で待つ雪歩達の所へ戻ってきた。

「あの時は、本当に焦ったんですぅ」
「あぁ、そう言えば雪歩も付き添いでフヅテレビ行ってたんだよな。
 どうだ? あっちと比べて会場の大きさは」

 雪歩は、少し周囲を見回してから、プロデューサーと真の顔を順番に見た。
「フヅテレビと、同じくらいかなー、って」
「それにしては落ち着いてるね、雪歩」
 真がまじまじと顔を覗き込むように見るので、雪歩はつい照れてしまった。

「それだけ雪歩も自信と実力をつけたんだよ。大丈夫、きっと上手くやれるさ」
 プロデューサーの励ましの言葉に、雪歩は力強く頷いた。

 ふと、雪歩の視線がある一点を捉えたまま釘付けになった。
 表情も、驚きのそれから見る見るうちに明るくなっていくのが分かる。
 プロデューサーと真は、振り返って雪歩の視線の先を探した。

「―――美希ちゃん!」
 雪歩の声に、美希はソフトクリームを持っていない方の手を元気良く振ってみせながら、こっちに近づいてきた。



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