116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:20:48.85 ID:7LnCOhGJ0
「ごめんね。もっと早く来ようって思ってたけど、遅くなっちゃったの」
「ううん、私達も早く着きすぎちゃったの。まさか来てくれるなんて――!」
雪歩は、嬉しさのあまり興奮が抑えられずにいる。
「どうしてここが?」
真が美希に聞いた。
偶然の出会いかと思ったが、美希の口ぶりを聞くとそういう訳ではないらしい。
「ハ――プロデューサーに教えてもらったの。
雪歩にとって正念場になるオーディションだから、良かったら応援に来てほしいって」
美希の言葉を聞いた雪歩と真は、プロデューサーの方へ顔を向けた。
「良く来てくれたな、美希」
プロデューサーは、美希の頭を撫でた。
美希は、まんざらでもない様子でプロデューサーにされるがままでいる。
「いつもプロデューサーにはお世話になってるから、これくらい当然なの」
美希の何気ない一言が、真の心を揺さぶった。
今のは、どういう意味だろう。
この子は、雪歩を応援したいという気持ちから来たのではないのか。
プロデューサーから言われなければ来る気は無かった、とでも――?
「――真ちゃん?」
自分は何を考えているのだ。
真は一人でかぶりを振った。最近の自分はどうかしている。
プロデューサーから伝えられなければ、美希はオーディションの存在すら知らなかった。
美希がこうして雪歩の応援に来てくれたのは、プロデューサーのお願いがあったからこそ――そんなの当たり前だ。
「真クン、どうしたの?」
ポカンとした表情で見つめる美希に対し、真は笑顔で返した。
「何でもないさ。ボクも久しぶりに会えて嬉しいよ、美希」
「うん!」
真が拳骨を突き出したのに対し、美希はパーを出してみせたので、真は苦笑した。
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