117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:23:01.77 ID:7LnCOhGJ0
外で一度通しで練習してから、会場の待合室に入った。
先ほど入った時とは打って変わって、大勢のアイドル達がオーディションの開始を待っていた。
真は、その光景を見ただけで身震いがしてきた。
「真クン、大丈夫?」
自販機で買ったジュースを飲みながら、美希が聞いた。
「平気さ、武者震いだよ。まぁ、ボクが武者震いしてもしょうがないけどね」
そう言って、真は雪歩の方をチラッと見た。
雪歩は、真達から少し離れた位置に置いてある椅子に座って目を閉じ、イヤホンをつけて今日歌う曲を聴いている。
下手に声をかけるのが躊躇われるほど、今日の雪歩は今まで見た事が無いほどに集中している。
それほど、このオーディションにかける想いが強かったのかと、改めて真は感じた。
「そういえば、プロデューサーはどこ行ってるの?」
美希は、辺りをキョロキョロと見回した。
「プロデューサーは、最終チェックに行ってるよ。シューズチェックだとか」
「シューズチェック?」
「何でも、前にここでやったオーディションでスパイクみたいなシューズで踊った人がいたらしくて――
だから、変なシューズでエントリーしないよう、今回から導入された審査なんだって」
ふーん、と美希は分かったような分からないような顔をしながら頷いた。
しばらくして、プロデューサーが戻ってきた。
「雪歩のシューズは?」
「自分の出番の一つ前になるまで預かるんだそうだ。
以前、スパイクで踊られて会場の床が穴だらけになったってのがよっぽど問題になったんだろうな」
そう言いながら、プロデューサーもいまいち釈然としない様子だった。
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