161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 02:39:30.53 ID:7LnCOhGJ0
雪歩の父は、背の高い男だった。
年齢は50歳前後のはずだが、そんな年には見えなかった。
肌のつや、身のこなし、そして何よりも引き締まった端正な顔立ちを見ていると、30歳代の前半くらいにも見えた。
雪歩の父の後ろには、それまで律子を案内していた坊主の男がずっとついていた。
用心棒か何かだろうか――?
「765プロの秋月さんと言ったか」
雪歩の父は、ニコリともせずに言った。
静かな低い声だが、迫力に満ちていた。
雪歩の父がゆっくりとソファーに腰を下ろしたのを見て、律子も断りを入れながら向かい側にそっと浅く腰掛けた。
坊主の男は、雪歩の父の後ろに立ち、手を体の前で組んでいた。
「今日は、高木さんも来ると思っていたが」
静かで凄みのある視線が、律子を貫いた。
律子は、緊張を抑えるのに必死だった。
「高木は今、弊社のプロデューサーのお見舞いに行っております」
当初は高木も同伴すると言っていたが、律子の方から断っておいた。
自分が今、かなり危ない橋を渡ろうとしているのは、律子も重々承知していた。
その橋に、ウチの社長まで付き合わせる気は無かった。
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