17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:15:58.07 ID:sFFUNv8Z0
少したどたどしくはあるが、美希は一度見たダンスの振り付けの前半部分を、ほぼ間違えることなく踊ってみせた。
765プロ関係者以外の誰かに披露したのは、今回美希が初めてのダンスである。
「えっ!? す、すごい! 今の見ただけでもう覚えちゃったの?」
春香は動揺を隠せなかった。
雪歩や真も、信じられないと言った表情で互いに顔を見合わせている。
「うーん、間違ってたらごめんなの」
「バッチリ合ってるよ、すごい! ちなみにさ、後半はどう?」
真に促され、美希は首を傾げながらも後半部分を踊った。
その振り付けも、概ね正しいものであったため、アイドルの三人はいよいよ悲鳴にも似た歓声をあげた。
「天才ですよ、天才! 律子さん、良くこんな子を見つけてきましたね!」
春香は律子の方を向き、抑えきれない興奮を露にした。
そして、もう一度美希の方へ向き直ると、一度一緒に踊ってみないかと誘った。
「えー? でもミキ、靴持ってないし」
「あ、あのぅ―――良ければ、私の靴を使って下さい。ちょっと、小さいかもだけど」
渋る美希を促すように、雪歩が自分の靴を差し出した。
美希は、断ることもできなくなったことを理解し、雪歩の靴を受け取ると上着を脱ぎ、春香や真と一緒に立った。
まさか―――不安と期待が入り混じっていたが、曲が始まるとすぐに律子の気持ちから不安が消し飛んだ。
真には一歩も二歩も譲るが、美希は一度も止まることなく、他の二人と一緒にダンスを踊ってみせたのだった。
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