210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:37:20.13 ID:7LnCOhGJ0
ダンス面でリーダー的役割を担った真は、皆に対しあえてスパルタに接した。
振りを覚えてこなかったり、一度教えた事を思い出せない時は、容赦なく怒った。
真美の悪戯も許さなかった。
千早もまた、ボーカル面で厳しい練習をメンバーに要求してきた。
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:40:10.71 ID:7LnCOhGJ0
黒井が堪りかねて、961側のステージ裏にやってきた。
「どうなっているのだ!? 貴様ら、何をやっている!!」
黒井は、冬馬と北斗に怒鳴った。
ここから巻き返すのは、ほとんど不可能に近い。
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:42:09.76 ID:7LnCOhGJ0
『The world is all one !!』を歌い終えた五人が、会場に手を振る。
会場のボルテージは最高潮となり、観客もいつの間にか目の前の広場を埋め尽くすほど多くなっていた。
「さぁ! 次は今日のステージ一番のサプライズですよ、サプライズ!!」
春香の言葉に、会場が期待のこもったどよめきに包まれた。
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:48:10.99 ID:7LnCOhGJ0
雪歩は、ゆっくりと会場を見渡した。
公園から溢れんばかりの観客。
色とりどりのサイリウム。
遠くの方には、961のステージの光が見える。
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:49:46.24 ID:7LnCOhGJ0
「――これから、私が皆さんにお送りする曲ですが――」
雪歩の一言一言に、会場は静かに聞き入っていた。
「私達のプロデューサーに、ぜひ歌わせて下さいって、頼んだ曲なんです。
私の新しい第一歩を、今日来てくれる皆さん、それに、765プロの皆にも、見てほしくて――」
215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:53:54.60 ID:7LnCOhGJ0
『First Step』という曲を雪歩から律子に提案されたのは、本番まで2ヶ月を切った頃だった。
雪歩自身が作った歌詞を律子に見せ、この作曲をお願いできないかと、雪歩は律子に懇願したのだ。
通常であれば、本番前のこの時期に一から作曲する事はしないものだった。
しかし、歌詞を読んだ律子は雪歩の想いを真摯に汲み取り、スケジュールの合間を縫って知り合いの作曲家を駆けずり回った。
216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:57:05.69 ID:7LnCOhGJ0
遠くから765側のステージを眺めていた冬馬は、自分達の敗因を理解した。
道理でこちらのボルテージが上がりきらないものだと思った。
彼女達は、今まで培ってきた仲間との思い出を、このフェスに込めている。
それが観客には伝わるのだ。
217:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 04:59:32.28 ID:7LnCOhGJ0
765側のステージには、765アイドルが勢揃いしていた。
「最後の曲は、なんとなんと、また新曲なのー!!」
「皆で作った曲なんだぞ!」
「うっうー! 明るい未来へだーいびーんぐしましょー、って曲ですー!!」
218:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 05:01:30.16 ID:7LnCOhGJ0
黒井は、会場の外に止めた車へ向かった。
「チッ―――何だというのだ、まったく!
だから私は真っ向勝負など下らんとあれほど―――!!」
黒井は、持っていた傘を地面に叩きつけた。
219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 05:02:33.80 ID:7LnCOhGJ0
961側にいた観客も765側のステージに合流し、会場全体がアンコールの大合唱に包まれた。
「おいおい、アンコールだなんて―――音源何も用意してきてないぞ」
プロデューサーは、予想外の出来事に取り乱していた。
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