38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:07:27.80 ID:sFFUNv8Z0
「あれ?」
美希が不意に、キョロキョロと辺りを見回した。
「あの人は?」
「プロデューサーさんなら、オーディションに行ってるわよ」
社長室にいる高木へお茶を出していた事務員の小鳥が、お盆を持ち歩きながら美希に答えた。
「今日も誰かのオーディションなの?」
「ううん、他の事務所のアイドルが出ているオーディションを見に行っているの」
教えられても、その理由についていまいちピンと来なかったのか、美希はまだ首を捻っている。
横から、律子が補足した。
「平たく言えば、敵情視察って所ね。
最近、新幹少女がローカル番組のオーディションを荒らしてきてるから、対策を立てようって」
「あの子達、おとといあずささんの出たオーディションに勝って、また今日もオーディションに出てるんですか?」
春香が少し驚いた様子で聞くと、律子は頷いた。
「二日おきにオーディションだなんて、大変そうですー」
事務所のゴミ出しを終えて一息ついていたやよいが、感心そうに呟く。
「このスーパーアイドルの伊織ちゃんが出れば、あんな連中なんて敵じゃないわよ」
「あっ、あの子達をやっつけてくれるの? 頑張ってね、デコちゃん!」
デコちゃん言うな、という伊織の突っ込みは、765プロに定着しつつあった。
プロデューサーが事務所に戻ってきたのは夕方だった。
その表情があまりに険しかったため、何があったのかを律子が聞いた。
その返答は、先ほどまで新幹少女の話題で盛り上がっていた765プロのメンバーに衝撃を与えるのに十分だった。
「新幹少女がオーディションに負けた。違うグループに。完膚なきまでに」
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