84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:39:37.67 ID:sFFUNv8Z0
「961プロの採用オーディションの日ね――」
やがて、落ち着いた響が顔を上げて、再度語りだした。
「貴音、自分のことを助けてくれて――自分のことっていうと、ちょっとアレだけど」
ははは、と響はおかしそうに笑った。
雪歩は響の言う事の意味がいまいち良く分からず、首を傾げた。
「961の事務所へ向かう途中、カルガモの親子が道を歩いててさー。
それでね、その子供が、道路の排水溝の中に落ちちゃって」
響は膝を叩いた。
「こりゃ大変だぞ、って、自分とにかく夢中で排水溝の中に手を突っ込んだんだ。
でも、それでも届かないから、排水溝の蓋を一度こう、どかして、体ごと入って。
そしたら――」
「あれ、何か、体が抜けないぞ、ってなってさ」
歩道のど真ん中で、排水溝に体を突っ込んでジタバタする響の姿を想像する。
その瞬間、雪歩は思わず吹き出した。
「あー! 雪歩、今笑ったな!」
「ひぃ、ご、ごめんなさい!」
「あははは、いいよいいよ。
で、うぎゃーもうダメだー、って思ったら、そこへたまたま通りがかった人がいてさー」
「それが、四条さん?」
「そう!」
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